厚生労働省の今年度行政方針を受けて、各都道府県からも今年度の労働行政方針のポイントが出されました。
東京都では「良質な雇用の確保」「公正な働き方の確保」「労働環境の整備」を基本とした行政方針となっています。
この行政方針に基づいた是正指導が行われることから、どの辺りがポイントになるかを考える必要があります。
「良質な雇用の確保」の点からは
・キャリアアップ助成金の積極的な活用
・人材育成・処遇改善への取り組み支援
・フリーター・子育て中のお母さん・シニア層に対する就職支援
・障害者雇用率の達成
・民間人材ビジネス等に対する厳正な指導監督
・労働者派遣事業者に対する指導監督の徹底
がポイントとなります。
昨日お伝えしたキャリアアップ助成金の上乗せ支給などがある一方で、労働者派遣事業に対する行政指導が強化されると考えられます。
「公正な働き方の確保」「労働環境の整備」では、
・長時間労働の抑制、過重労働による健康障害防止に関する監督指導
・労働者からの賃金不払や解雇などの申告に対し優先的に監督指導などを実施
・有期労働契約に対する法律の周知徹底
・賃金不払残業の防止
・ブラック企業に対する指導
・建設業、小売・飲食業での労災事故抑制
・ストレスチェック制度の周知徹底
あたりがポイントになります。
労働時間の実態把握から賃金不払い残業が行われていないか、恒常的に長時間労働が横行していないかは、今年度も監督指導の対象になることは変わりありません。
ストレスチェック制度の導入徹底、有期雇用労働者に対する労働条件が適正かどうかも調査対象となるでしょう。
中小企業に猶予されていた月間60時間超えた際の残業代割増率も、平成31年からは大企業と同じく適用される事も踏まえ、現時点からどういった働き方がいいのか検討していく必要がありそうです。
参考)平成27年度 東京労働局行政運営方針の概要
http://tokyo-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/var/rev0/0139/2086/2015414142852.pdf