昨日9月8日に労働者派遣法改正案が参議院委員会で可決され、明日9月10日の衆議院会議で可決・成立となる見込みです。
今回の改正で、特定労働者派遣がなくなり、全ての派遣業は一般労働者派遣としての許可が必要となります。
特例労働者派遣業の届出のみであった企業は、一般労働者派兼業に切り替えるか、切り替えられなければ派遣業はできなくなります。
また、これまで派遣期間に制限があった指定26業務以外の派遣を含め、専門業務の種類に関係なく、組織単位での派遣期間は上限3年となります。
つまり対象業務に対し、派遣社員を入れ替える事によって、実質同じ業務を期間に関係なく派遣社員に任せ続ける事ができるようになるのです。
(過半数労働者代表や労働組合の意見聴取が必要)
さて、今回の派遣法改正を9月30日としたのには理由があります。
平成24年の前回の改正で決定されている「労働契約申込みなし制度」というのが、今年10月1日より施行される事から、この日より前に、今回の改正法案を施行させたいというところです。
意外に見落とされがちな「労働契約申込みなし制度」
この制度は、派遣先企業が違法派遣と知りながら派遣労働者を受け入れている場合、違法状態が発生した時点で、派遣先企業が派遣労働者に対して労働契約の申し込み(直接雇用の申し込み)をしたものとみなすものです。
違法派遣が発覚した時点で、「派遣先企業」が、派遣労働者に直接雇用を申し込みしたとされるという事は、派遣労働者に対する雇用が生じるというわけですから、派遣そのものの違法性がないかが問題になるというわけです。
今回の改正法と併せて実務上の対応が求められる事となりますので、今後の行政指導の在り方に注目されます。