【今回のポイント】
1.会社が貸与しているPCや情報機器は、仕様履歴の管理ツールなどを設定し利用状況を確認できるようにし、これを社員にも認識してもらう
2.就業規則の服務規律部分に「やってはいけない事」として具体的に定め、これに何度も違反している事実がある場合には、懲戒処分となるようルール付けをする
3.結局は日頃からの意識付けが大事=日頃からインターネットやメールの使用方法について指導・教育を行い、社員への意識付けをしていくことが重要
インターネットや電子メールは、職場では必要不可欠。現代社会においてなくてはならないものになっています。それだけに、職場でのメールやインターネットにまつわるトラブルも増えてきています。
トラブルで一番多いのが「仕事をしているように見せかけてネットサーフィンをしている」「業務に見せかけて私用メールのやり取りをしている」「業務中にSNSに書き込みしている」「FX取引を行っている」など、勤務時間内でのインターネット利用に関するものです。
会社は、こういった勤務時間内での私用メールや仕事以外のインターネット利用を禁止するにはどうすればいいのでしょうか?
労働基準法には「仕事中に私用でインターネット利用をしてはいけない」などといった制限はありません。
このような社員への具体的な服務に関するルールは、会社との労働契約により社員に発生する義務に従って、会社が具体的に作成をし、社員に周知徹底しておくべきものとなります。
これが就業規則などに規定されるいわいる「服務規律」です。
法律に違反する内容や社会通念上認められないような場合を除いて、会社はこれらのルールを自由に決めることができます。
逆に言えば、就業規則などにぐたいてきに定めておかなければ、私用メールやインターネット利用を禁止したり、これを理由に懲戒処分をおこなうことができないのです。
「私用メールや私的なインターネット利用の禁止」を服務規律を定め運用するには、いくつか注意しなければいけないポイントがあります。
社員は権利もあるが義務もある事を認識する
会社と労働契約を結び社員になるということは、社員は会社に対して労務を提供する義務が発生し、会社はその対価としての賃金の支払い義務が発生するということです。
社員が労務を提供する義務というのは、会社が求める質と量の労務を提供しなければならないとされ、暗黙のうちにさまざまな義務(職務専念義務・業務服従義務・信用保持義務など)が発生しているとされています。
私的利用に対する制限を明確にする
私用メールや業務外のインターネット利用に対する禁止や懲戒については、内容が悪質かどうか、利用頻度などより判断するべきでしょう。
会社としては、度を超した頻度の私用メールを送受信していたり、会社や特定の個人を誹謗中傷するような悪質な内容のメールを発信していたりSNSなどで書き込みをしている場合には、職務専念義務違反および秩序違反により、懲戒処分できるように定めておく必要があります。
また、メールの送受信の頻度や、会社や特定の個人を誹謗中傷するような内容のメールや書き込みが報告された場合の事実確認のために、会社が社員のメールをチェックしたり、PCの利用状況を確認することがあることを明確にしておくことも重要です。
会社のメールであっても、一定の基準を用意し、これに従いチェックを行うことは問題ありません。
会社が社員のメールやPC利用状況を定期的にチェックしているということを社員に周知しておくのは、万が一トラブルが起こった際に「プライバシーの侵害だ」などと感情的な問題が起こらないだけでなく、私用メールを自粛しようという抑止効果もあるといえます。
会社のメールやPC利用をルール化するだけでなく、日頃からインターネットやメールの利用方法に関する指導・教育を行い、社員への意識付けをしていくことが重要であることはいうまでもありません。
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