10月7日に厚生労働省は、過労死の実態や防止策の実施状況などを報告する「過労死等防止対策白書」を初めてまとめ、長時間労働・過労死問題の実態が、可視化されることになりました。
「過労死」とは、長時間の残業や休日なしの勤務を強いられる結果、精神的・肉体的負担で、社員が心疾患や脳血管疾患などで突然死することや、過労によるストレスが原因で自殺にいたってしまうことなどです。
長時間労働の理由についての分析によると、「業務量が多い」や「人員不足」「顧客対応」が圧倒的に多く、長時間労働は社員の「生産性の低さ」が問題ではないことが示されています。
また、仕事に関するストレスの原因については、「仕事の量・質」が65.3%と、「対人関係」の33.7%に2倍近くの差をつけ、1位になっています。
責任感が強く、まじめな人ほど、追い詰められてしまいやす傾向にあると言われていますが、
労働時間の法整備や、企業からの働きかけが必要なことは明らかです。
過労死白書が閣議決定された10月7日、広告代理店大手の電通の女性社員が、最長月130時間の残業などが原因で昨年12月に自殺し、三田労働基準監督署が過労死として労災認定していたことも明らかになりました。
今から25年前の1991年にも、ほとんど同様の事件がありました。
どんな背景があったにせよ、同じ事が繰り返されている実情は許されるものではありません。
『よその会社でもやっている』『なぜ自分たちだけが問題になるのだ』などと考え正当化する業界の慣習は通用するものではありません。
厚生労働省は昨年5月に、長時間労働を防ぐために行政指導の段階で企業名を好評する基準を決定し、今年5月に千葉労働局は行政指導の段階で企業名を初公表しています。
一方で、昨年6月から労働安全衛生規則の基準を、一定水準クリアしている企業を優良企業として認定する制度も開始しています。
認定を受けると健康・安全・働きやすい優良企業であることを求職者に対してPRできたり、マークを広報、商品に使用し、取引先や消費者に対してPRでき、企業イメージの向上にもつなげることもできます。
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参考)「過労死白書」から見える、長時間労働の実態
http://toyokeizai.net/articles/-/139668