人事・労務の知恵袋

人事・労務 組織のダイバーシティと業績の関係

【執筆者】社会保険労務士法人スマイング コンサルティンググループ マネージャー 薄田 順矢

ボストンコンサルティンググループの調査により、組織のダイバーシティが、イノベーションを促し、業績に貢献することがわかりました。

ダイバーシティを示す6要素(出身国、他の業界で働いた経験、キャリアパス、性別、学歴、年齢)の平均で測定したところ、総合的な多様性が平均以上の企業は、収益に占めるイノベーションの割合が平均19%、税引前利益が平均9%高いことがわかりました。

調査データをもとに算出すると、イノベーションの収益はマネジメントチームの多様性の強化によって1%、出身国で1.5%、出身産業で2%、性別で2.5%、そして、異なるキャリアパスを持つマネジャーで3%上昇します。

ダイバーシティを活用するポイントは、コンセプトを複数のレベルで適用すること、分析されております。

本社と別事業の関連会社で働く外国人が本社への業務に興味があるため、転籍を検討していたところ、既存の本社社員から外国人社員を迎え入れいることの拒絶反応があり、断念した事例があります。この事例の問題は、「外国人の社員」に対する偏見にではなく、既存社員から組織風土の変化を嫌がったための拒絶反応だったということが後に判明しました。

組織を活性化させるには、「変化」を受け入れ、積極的に「変化」しようとする「変化の習慣化」が必要です。
長いこと続けて来た習慣が続いていればいるほど、「今より悪くなったら」「手間がかかるから」「変えるメリットがわからないから」といった思考に傾きやすく、ますます変化しにくくなります。変化を習慣的に行っていなければ、変化自体が特別なことになり、変化の意識すらなくなっていきます。

ダイバーシティにより、業績が向上する調査結果は、変化を受け入れ、変化の習慣化を持っている企業かどうかが関係しているかもしれません。

変化を習慣化できる組織の仕組みや職場のルールを検討されてはいかがでしょうか。
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投稿日:2018/03/19
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