人手不足が深刻化する中、およそ73万人が会員となっている、高齢者の生きがい作りを目的としたシルバー人材センターに派遣労働の依頼が殺到し、4年間で派遣労働のひと月当たりの人数は、全国で合わせて延べ43万人に上り、3年間で3.4倍に増加していることがNHKの取材でわかりました。
派遣労働の内訳は、スーパーでの品出しやレジ打ちなどの仕事が22%と最も多く、次いで工場での加工や運搬などが18%、介護施設や幼稚園の送迎が12%などとなっています。
一方で、この4年間で会員の仕事中の事故が6.5倍以上に増加していて、専門家は「高齢者の負担が増えていて、働きやすく安全な環境作りが不可欠だ」と指摘しています。
事故の内訳は、送迎バスなどの運転中の事故が19%と最も多く、次いで、手作業で行う荷物の運搬業務と、清掃作業中の事故がともに7%となっています。
事故の増加を受け、全国シルバー人材センター事業協会では、今年度から各地のセンターに事故の報告を義務づけて実態を把握し、対策を検討することにしています。
高齢者の労働に詳しいダイヤ高齢社会研究財団の主席研究員は「高齢者が即戦力として期待され担う仕事が増えれば、これまでの安全対策やノウハウが通用せず、事故のリスクが高まる。高齢者の負担が増える中、企業などは安全に働ける環境作りを進めていくべきで、それができて、はじめて1億総活躍につながる」と指摘しています。
平成30年度の雇用関係助成金では、高齢者の就職促進のための雇用環境の整備や定年延長に関わる助成金も出ています。
平成30年雇用関係助成金のご案内
https://www.nari-sr.net/media/seminar/20170523