シニア社員の処遇を改善する動きが企業に広がってきています。
60歳の再雇用時に減額されることが多かった基本給を引き上げるだけでなく、成果報酬の導入や責任の重いポストの用意で就労意欲を高めるようという企業が広がってきています。
味の素AGF社は、2018年7月から60~65歳の再雇用のシニア社員の給与体系を見直し、賞与も成果を反映するように制度を変え、年収は従来と比べて3割増えています。また週休3日制を導入したほか、勤務地の希望も出せるようにして、シニア社員の待遇を改善し、働き手を確保するし、若手へのノウハウ伝承などに力を発揮してもらう狙いです。
JR西日本社は、「一層の活躍に期待し、モチベーション高く業務に精励してもらうため」に、2018年度から再雇用したシニアの基本給を加算する待遇改善に合わせて、働きぶりに応じた給与で報いる姿勢を鮮明にしています。
出勤日数に固定額で支払う「精励手当」を勤務成績が「優秀」なシニアだと4万円から5万円に増額。、特に優秀」だと6万円から10万円にアップさせ、一方、出勤停止になったり、勤務成績がよくない場合は減額したりと、メリハリをつけています
自動車部品メーカーのヨロズ社は、70歳まで雇用年齢を引き上げたのに合わせて1年契約でそのまま管理職を続けてもらう「職制契約社員制度」を設け、従来の嘱託社員だと給与は定年前の7割の水準に下がるが、同制度の社員だと減額なしで100%もらえます。
ベアリング大手のNTN社は、2018年度から再雇用シニアの給与を年収ベースで25%引き上げ、プロジェクトリーダーなど一部役職への任用もできるようにしており、経験を生かして専門能力を発揮してもらうようにしています。
15~64歳の生産年齢人口は40年に6千万人を割り込み、2015年と比べて1600万人余り減る見込みで、年齢ではなく能力に応じた給与・人事体系にすることが益々重要になります。
シニア社員のモチベーション維持や処遇に悩まれている企業も多いのではないでしょうか。改めて、シニア社員に求める役割や人事評価など検討されてはいかがでしょうか。
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