人事・労務の知恵袋

人事・労務 人材採用でAI導入が進む

【執筆者】社会保険労務士法人スマイング コンサルティンググループ マネージャー 薄田 順矢

2017年にソフトバンクがAIによる書類選考を行い、サッポロビールも2019年の新卒採用からAIを導入することを発表し、吉野家もすでにアルバイトの採用にAIを実験的に導入しています。また、住友生命やリクルートグループ、横浜銀行、損害保険ジャパン日本興亜などがAIによる採用試験を導入することを検討している等、人材採用でAIの導入が進んでいます。

ソフトバンクはエントリーシートなどの書類選考にAIを導入し、人事担当者がエントリーシートを熟読する時間が7割も軽減、サッポロビールも4割の時間を削減できたといいます。

AIによる選考については、人間の場合は途中で飽きたり疲れたりするため、人間が行うよりも公平になります。AIは疲れ知らずで、ブレない選考基準を保ち続けることができ、応募者のエントリーシートや履歴書だけでなく、過去の採用事例や採用後の人事評価もすべてデータとして参照することができます。

AIの弱点は、判断基準を作るために一定量のデータが必要になるため、採用規模の小さい企業や歴史の浅い企業では、精度の高さを保てなくなります。

2018年に報告されたAmazonのAI採用ツールの欠陥として、女性の応募者を差別していたことがわかっっています。理由は、AIに過去10年分の応募者の履歴書を解析させた結果、過去の応募者のほとんどが男性技術者だったため、男性を採用することが良いことだと学習し、履歴書に「女性」という単語や女子大の名前が含まれていると低い点数を与えるようになり、AIが学習したデータに多様性がなかったことを示しています。

採用にAIを導入する場合、学習させるデータの質に注意しなければならないことや、偏った学習をした際に補正する仕組みを検討しなければならないでしょう。

人事業務にAIやテクノロジーを導入することをHRTechと呼び、米国ではHRTechの普及が進んでおり、HRTechによる人事業務の効率化は日本でも普及し始めています。

弊社では、3月15日(金)に、『SMACCS HR Forum 2019~人事関連・働き方改革のお悩みが解決できる1日~』を開催予定です。
SmartHR社、マネーフォワード社、エン・ジャパン社、チャットワーク社、サイボウズ社などが各クラウドベンダー様に登壇を予定しております。
詳細をご希望の方は、担当の薄田(すすきだ)までご連絡ください。
Email:info@sming.jp

投稿日:2019/02/12
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