日本経済新聞社が大手企業にアンケートを実施したところ、約5割の企業が従業員に副業を認めていることが分かりました。企業側は外部のノウハウを吸収し、人材育成や新事業の開発につなげたいとの期待が大きいが、複数の職場で働く従業員の労務管理などの課題も残りますが、企業が副業を解禁する動きが進んでいることが伺えます。
副業について「認めており社内で制度化している」と「制度はないが申し出などに応じて認めている」を合わせると、認めている企業は約50%であり、「認めない方針」は約22%となっています。
副業のメリットを聞いたところ、「社員の成長やモチベーション向上につながる」(約77%)が最も多く、順に「社員のセカンドキャリアの形成に資する」「新規事業開発や本業の強化」「組織の活性化や新陳代謝」「社員の働き方の改善」と続いています。
また、副業に対する課題や懸念についてきいたところ、「社員の労務管理が困難」(約79%)で最も多く、順に「副業中の労災や不祥事などのリスク」「労働負荷の増大やモチベーション低下」「自社と利益相反になる可能性」「組織の混乱につながる恐れ」と続き、自社の従業員に副業を認めても、他社の従業員の受け入れには慎重な姿勢もみえます。
副業の解禁が進むなか、実際の利用者は少ないといった課題もあり、本業で残業できなくなったため収入増を目的に副業する人もいて、法的な整備が不十分なまま過剰労働につながる懸念もあるが、先行する企業は多様な働き方を促し自社にもプラスになる効果を見込み、副業の勤務時間の制限など独自の対応を打ち出して柔軟な運用を模索し始めています。
先行する企業の独自に対策としては以下となります。
・日本マクドナルド社
本業と合わせて残業時間が45時間を超えないこと、月に5日以上の完全休業日を設けるといった条件を設定し、違反した社員は副業禁止になる
・SCSK社
本業・副業合わせて上限50時間の残業を認める
・ユニ・チャーム社
夜12時を超える副業を禁止
副業は社員の多様な働き方を認めるプラス面と、労務管理の難しさなどの課題が隣り合わせとなる。企業の試行錯誤は続きそうだ。
副業を認めていない企業には「魅力を感じない」と答えた人は約8割という調査結果もあります。
副業に関する規程を設ける企業も増えてきておりますので、ルール作りに併せて就業規則を見直されてはいかがでしょうか。
社員も安心、会社も納得の就業規則
https://www.nari-sr.net/business/rulebook