あしたのチーム社の調査により、残業の多い社員が時間外労働の上限である原則「月45時間かつ年360時間」の上限を超える恐れのある企業の約70%で、長時間労働の是正が進んでいないということが明らかになりました。
「労働時間の適正化に向けた取り組みを実施している」と答えた企業に聞いたところ、最も多く挙がったのは「管理職が部下の仕事を引き取ることが増えた」(29%)、多い順に「他の人に仕事を頼みづらくなった」(28%)「打刻した後に業務をすることが発生した」(17%)、「自由に働けなくなった」(17%)、「会議等の時間の調整が難しくなった」(16%)と続いています。
役職別に見ると、管理職は「他の人に仕事を頼みづらくなった」(31%)、「打刻した後に業務をすることが発生した」(19%)との回答が多く、同社は「労働時間適正化を進める裏で、管理職の抱える業務が増えていると考えられる」と分析しています
また、経営者は「売上が減少した」(23%)との回答が最も多く、「これまで長時間労働によって支えられてきた売上が下がっていると考えられる」「これまでの仕事のやり方を見直し、工夫しなければ、労働時間の適正化ができても会社の売上や業績は落ちるのではないか」と指摘しています。
エン・ジャパン社の調査によれば、企業がどのようなリーダー像を求めているか転職コンサルタントに聞いたところ、メンバーや組織の主体性を引き出す「支援型(サーバント型)リーダー」(34%)との回答が最も多く、次いで、カリスマ性などによって組織を統率する「統率・支配型リーダー」(25%)、権威・権限で統率する「管理型リーダー」(21%)ということが明らかになっています。
また、これからのリーダーに求められる力を尋ねると、「メンバーが活躍しやすい環境を作り出せる」(60%)が最も多く、次いで「職場やメンバーを支援し、目標達成に導ける」(58%)、「達成に向け現実的なプロセスを構築できる戦略性」(54%)という結果になります。
ワークスタイルの変革には、「制度・風土・ツール」に付け加えて、何のために実現するかといったビジョンや労務の観点も重要になります。これらを推進していく管理職やリーダーに求められる要件も確実に変化してきています。
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