パーソル総合研究所による新型コロナウイルスによるテレワークへの影響について調査によれば、企業の正社員のテレワーク実施率は13.2%に上ることが明らかになりました。また、正社員のテレワークの実施率は13.2%のうち47.8%は現在の会社で初めてテレワークを実施したことも明らかになしました。
テレワークを実施していない86.8%のうち33.7%は、回答者がテレワークを希望しているものの実施できていない状況にあり、テレワークを実施していない理由では「テレワーク制度が整備されていない」(約41%)や「テレワークで行える業務ではない」(約40%)、「テレワークのためのICT環境が整備されていない」(約18%)が上位を占めています。
また、会社の方針でテレワークが命じられているケースは約3%、推奨されているのは約19%となり、会社から特に案内がない(通常通りの出勤)は71.5%に上っています。
企業規模別での「テレワークが命じられている」および「推奨されている」の合計値は、従業員1万人以上の企業では約43%、同100人未満では約10%となり、3大都市圏では東京圏が約33%、名古屋圏が約18%、大阪圏が約20%となります。
時差出勤に関する会社の方針いついては「特に案内がない」が約65%で最も多く、順に「推奨されている」が約29%、「命じられている」が約4%となり、対面による会議に関する方針でも「特に案内がない」が約68%で最も多く、「推奨されていない」が約27%、「禁止されている」が約5%となります。
調査結果について同社は、従業員がテレワークを希望してもできないケースが多く、企業にはなお一層の制度や環境の整備が求められると指摘しており、急速に拡大したテレワークは、プロセスや努力といった業務過程が見えにくく、パフォーマンスの差だけが可視化されやすいほか、仕事の様子が見えにくくこれまでのような柔軟なジョブアサインも困難になると解説し、中長期的には、従業員各自が果たすべきジョブ(職務)や責任を計画的かつ明確に定め、従来のあいまいな「総合評価」から「職務責任を果たせたかどうかという評価」へと変わることを促すだろうとし、「今、財界ではジョブ型雇用への転換が叫ばれているが、テレワークの急拡大は、日本の雇用や働き方を変革の岐路へと立たせるだろう」とコメントしています。
テレワークの導入による働き方や評価の方法を見直す企業が増えております。