人事・労務の知恵袋

人事・労務 従業員シェアに助成金

【執筆者】社会保険労務士法人スマイング コンサルティンググループ マネージャー 薄田 順矢

厚生労働省は従業員を出向させる企業と受け入れる企業の双方を対象とする助成金を創設する予定です。休業者の雇用維持のための雇用調整助成金よりも支援を手厚くし、組織や業種の垣根を越えた人材の有効活用を促し、雇用危機を防ぐ新しい安全網として2020年度内に運用を始める予定です。
新型コロナウイルス禍で苦境の企業への雇用支援策は雇調金を柱としてきており、支給決定額が2.3兆円にも達し、広く利用されているが、休業が長引くと労働者の意欲低下などが懸念され、成長分野や人手不足の業種への人材供給を妨げる側面もあります。
出向は失業せずに別の仕事を経験したりスキルアップを図れたりする利点があり、ノジマやイオングループが従業員を受け入れるなど既に動き出しています。
新制度は出向元と出向先それぞれの賃金負担を国が支援し、契約手続きや就業規則の改定に伴う経費も別途助成する予定です。
助成水準は雇用調整金と同程度で始め、2020年5月以降は休業支援より手厚くする予定であり、雇調金の最大助成率は2月末までが100%で、3月以降は雇用情勢をにらみつつ少しずつ縮小して5~6月に90%とする方向で検討するようです。
検討されている助成金と目的は異なりますが、パナソニック社が2018年に、社員が風土や価値観の異なる別の会社で働くことで、留学のように成長してもらおうという「社外留職」と呼ばれる制度を導入していました。
助成金の有無にかかわらず、多様な人材活用等の目的において、従来の考え方に捉われない制度を検討されるのも一考です。
テレワークにも欠かせない人事評価の仕組みづくり

投稿日:2020/12/07
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