人事・労務の知恵袋

人事・労務 コロナ禍のテレワークで若手社員のストレス増加

【執筆者】社会保険労務士法人スマイング コンサルティンググループ マネージャー 薄田 順矢

メンタルヘルスケアなどを手掛けるアドバンテッジリスクマネジメント社の調査により、コロナ禍でテレワークの導入が広がる中、若手社員が他の世代と比べて、強くストレスを感じていることが分かりました。
「2020年5月~6月」と「2019年5月~6月」に47の企業・団体を対象に、ストレスチェックを実施し、ストレス関連因子として31項目を定め、「25歳以下」「26~30歳」「31~40歳」「41~50歳」「51歳以上」という年齢層に区分けして、順位付けを行った結果、「25歳以下」の“高ストレス者”の割合は、2019年は3.9%だったのが2020年は5%になり、1.1ポイント増加しています。
アドバンテッジリスクマネジメント社の担当者によれば、要因としては以下の3つが考えられます。
・成長イメージが描きづらく、キャリア形成への不安が強い
・自分の役割や周囲からの期待値が良く分からない
・ナナメ・ヨコの接点やサポートの希薄化
経験の少ない若手社員は、テレワークの環境では自身の成長イメージが描きづらく、会社の全体像もつかめない。そして、同僚に気軽に相談できる環境ではないことなどからストレスが増加しているのではないか、と述べています。
また、25歳以下の若手社員のストレスを緩和するためには「上司側が若手社員に対して配慮すべきことは、「目標」だけに翻弄されることなく、「目的」(=なぜこの仕事をするのか?誰の何の役に立つのか?)について、改めて考えを深めることだと思います。メンバー同士の偶発的な接点やコミュニケーションをいかに担保するか。これも大事だと考えています。また、一人ひとりのセルフマネジメント能力の開発・向上も重要です。不確実な時代、かつ、テレワークで個業化していく中、会社や上司側からのケアにも限界があります。若手を含め、社員一人ひとりが強くなることが必要不可欠だと思います」ともコメントしております。
2020年秋ごろに、急に入社2年目の精神疾患が多発したという企業も耳にしております。
セルフマネジメント能力の開発・向上の仕組みづくりも検討されてはいかがでしょうか。
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投稿日:2020/11/30
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