企業研修やキャリアコンサルティングを提供するダイヤモンド・コンサルティングオフィス社の調査によれば、リモートワークを始めて1年が経っても、上司とのコミュニケーションにストレスを感じる部下は増加傾向にあることがわかりました。
同社による2020年5月の同様の調査では、在宅でのリモートワークにおいて、上司とのコミュニケーションにストレスや不快感を感じたことのある部下は約8割に及んでおり、それから1年が経過したが、前年と比較して上司とのコミュニケーションによるストレスについて、最も多かった回答は「変わらない」43.5%で、「かなり増えた」「増えた」が37.0%、「減った」が19.5%、とリモートワークは定着しつつあるものの、上司とのコミュニケーションによるストレスの問題は改善されていないどころか、増加傾向にあることがわかります。
ストレスや不快感が増える原因では、「常に仕事をしているかの連絡や確認」(30.3%)が最も多く、「参加したくないリモート飲み会への勧誘」(19.9%)、「オンラインでのプライベートに関する内容の質問」(18.4%)となり、一方で、ストレス減少要因では「不要な出社指示が減った・なくなった」(37.7%)が最も多く、「参加したくないリモート飲み会への勧誘が減った・なくなった」(32.1%)、「常に仕事をしているかの連絡や確認が減った・なくなった」(28.3%)になります。
上司とのコミュニケーションでストレスが増加した人に、上司に直してほしい点を尋ねると、「業務時間とプライベートな時間のすみわけ」(41.8%)が最も多く、次いで「仕事をする上での管理や束縛」(28.9%)、「プライベートな事柄に関するコミュニケーション」(26.9%)、「チャットやメールでの言葉の使い方」(26.9%)が挙げられています。
リモートワークが定着しつつある一方で、上司と部下のコミュニケーションは改善されない傾向が出ており、特に「仕事をする上での管理や束縛」は、部下のストレスに影響を与えていることが判明しておりますので、リモートワークにおけるマネジメント方法について、今後は「監視」以外の改善策が求められていると分析されています。
テレワークにおける人事評価は難しい理由として、「勤務態度が見えないから」「成果につながる行動を細かく把握しづらいから」が半数以上挙げられている調査結果もあることから、「監視型」の改善策としては、評価項目の明確化や目標管理制度など人事評価制度の見直しも必要になると考えます。
テレワークにも欠かせない人事評価の仕組みづくり