産業能率大学総合研究所の「新入社員の会社生活調査」によれば、この春就職した新社会人に、就職活動を振り返ってもらったところ「大変だった(かなり+思ったより)」と答えたのは84.0%となり、これまで過去最高だった就職氷河期の1995年度を超えて過去最高だったことがわかりました。
「大変だった」と答えた人が多かった背景に、「合同会社説明会などの中止や延期が相次いだ」(54.9%)や「就職活動をする他の学生の動向が分かりにくかった」(50.7%)など、コロナ禍の影響がうかがえます。
また、将来のキャリアについて尋ねると、「役職には就かず、担当業務のエキスパートとして成果を上げる」が前年度から17ポイント増えて54.2%、「管理職として部下を動かし、部門の業績向上の指揮を執る」(36.6%)を大きく上回って過去最高となり、最終的に目標とする役職・地位についても、「地位には関心がない」(50.7%)が2005年度(51.3%)以来2016年ぶりに半数を超えています。
東京商工会議所による「2021年度新入社員意識調査」によれば、魅力に感じる企業の制度については、「年次有給休暇取得の推進」「時差出勤・フレックスタイム制勤務」が上位となったほか、「資格(検定)等の取得支援」「人材育成体系(研修計画)の充実」など、入社してからの成長環境に関する制度も上位となっています。
これらの調査から、管理職ではなく、エキスパートとしての資格取得支援・教育体系を求める傾向が強くなっていることが伺えます。
人事評価制度の本来の目的は、公正な処遇・査定ではなく、現場でのコミュニケーションを強化し、モチベ―ションアップや社員の成長につなげていくことになりますので、ジョブ型雇用を部分的導入や、キャリアプラン制度などの人事評価制度を見直す企業も増えております。
テレワークにも欠かせない人事評価の仕組みづくり