船井総研コーポレートリレーションズ社は、事務系職種のビジネスパーソンを対象に「働き方改革・業務改善に対する実態と意識調査」を実施した結果、65.6%が「業務効率化のために職場になんらかのツールや制度の導入があった」と回答しています。
働き方改革を推進するために職場に導入されているのは「在宅・リモート勤務」(43.4%)「オンライン会議の活用」(42.9%)の2つが大きく挙げられたが、自分の業務の生産性が「変わらない」または「下がった」「大いに下がった」という回答が71.3%にのぼっています。
職場の働き方改革・業務改善で障害となるものは何か聞くと、「一部の人のみしか把握していない業務がある」(41.4%)が最も多く、次いで「担当者によって業務の理解度にばらつきがある」(37.6%)、「業務ルールがなくマニュアルもない」(24.6%)となります。
職場の働き方改革・業務改善を加速させるために必要と思う環境については、「会社としての方針指示」(43.4%)が最も多く、次いで「他部署・社員間の共有や連携体制」(36.2%)、「システム・ツールの導入」(34.5%)となり、ツールや制度導入よりも会社からの方針や社内の横連携、情報共有が重要と感じていることが伺えます。
同社の社長は「本調査では、働き方改革やDXツールを導入しても生産性は向上していないという回答が7割を超えた。その背景には、手段を変えるだけでは生産性向上は実現しないという現実があるようだ。企業の生産性向上には、そこに働く人々の意識の向上が不可欠である」とコメントしています。
アドビ社が2020年6月に実施した「コロナ禍における生産性と在宅勤務に関する調査」によると、米国のビジネスパーソンの77%は、在宅勤務への移行後も生産性が同等もしくは向上したとの回答に対し、日本の場合は、43%が生産性が下がると回答しており、ここでも、社員間の情報共有や連携の不足が原因として挙げられています。
ただ単にツールや制度を導入するだけではなく、それに伴うワークフローやマニュアル等の見直し、会社としての方針指示・連携などがなければ、この調査にもあるように効果は得にくくなります。
ワークフローの変革には、制度・風土・ツールの3つと、それを支える労務の整備が必要になります。
テレワークにも欠かせない人事評価の仕組みづくり