転職サービスを提供するワークポート社による、20~40代のビジネスパーソンを対象に、「キャリア志向」についての調査を実施した結果、コロナ禍以前と比べ自身のキャリアを考える機会は増えたか聞いたところ、「増えた」が74.0%を占めていました。
また、自身のキャリアについてどう感じているか聞いた結果「とても不安」が36.2%、「やや不安」が46.2%となり、合わせて82.4%が自身のキャリア形成について不安を抱えており、どのようなことが不安なのかを尋ねたところ、「会社の将来性が不安」、「将来的に家族と自分を守れるだけの給与=評価が得られるか」といった声が挙げられており、現在の勤務先で会社員としてキャリアを積む上での不安を挙げる人が大多数となります。
ゼネラリスト(管理職)とスペシャリスト(専門職、技術職)のどちらのポジションでキャリアを積んでいきたいかを聞いたところ、「ゼネラリスト」は50.6%、「スペシャリスト」は49.4%と、ほぼ半数に分かれていました。
ゼネラリストと答えた人からは、「不安定な時代だから、どんな場合にも通用する知識や能力を身につけたい」、「年齢が上がるとともに、管理職需要の方が高くなるから」という意見が挙げられており、スペシャリストと答えた人からは、「人をマネジメントするより、自分の好きなことを極めていきたい」、「企業に依存しない働き方をしていきたい」、「手に職を持っていた方が安定する」という意見が挙げられています。
同社は「ゼネラリスト派は、より広い視野を持って働きたい、人や組織を動かす経験を身につけいずれ経営に携わりたいという志向の人が多く、スペシャリスト派は、一つの技術や知識を極めることで自分自身の市場価値を高め、会社に依存しない働き方をしたいという志向の人が多い傾向が見られた」とコメントしています。
ゼネラリストを育てたい会社、スペシャリストを育てたい会社、ゼネラリストとスペシャリストの両方を育てたい会社、それぞれ人事制度の設計も異なります。
歴史のある企業の場合、ゼネラリストのみを育てたい設計になっている企業も多いように見受けられます。
会社としての方針もありますが、本調査のキャリア志向を鑑みれば、ゼネラリストとスペシャリストの両方を育てて評価できるような人事制度に変更されることも一考です。
テレワークにも欠かせない人事評価の仕組みづくり