人事・労務の知恵袋

人事・労務 メンタルヘルス不調による休業・退職者がいた事業所は10%

【執筆者】社会保険労務士法人スマイング コンサルティンググループ マネージャー 薄田 順矢

厚生労働省が公表した2021年「労働安全衛生調査(実態調査)結果の概況」によれば、2021年10月31日までの1年間にメンタルヘルス不調により連続1か月以上休業した労働者又は退職した労働者がいた事業所の割合は10.1%(2020年調査は9.2%)であったことがわかりました。
産業区分では、連続1か月以上休業した労働者の割合は「電気・ガス・熱供給・水道業」(33.5%)が最も多く、退職した労働者の割合は「情報通信業」(11.7%)が最も高くなっております。
2020年度の調査では、「情報通信業」が、連続1か月以上休業した労働者(24.5%)・退職した労働者(12.1%)の割合ともに最も高くなっておりました。
メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業所の割合は59.2%となり、取組内容については「ストレスチェックの実施」(65.2%)が最も多く、順に「職場環境等の評価及び改善(ストレスチェック結果の集団(部、課など)ごとの分析を含む)」(54.7%)、「メンタルヘルス対策に関する事業所内での相談体制の整備」(50.2%)、「メンタルヘルス不調の労働者に対する必要な配慮の実施」(50.2%)となります。
メンタルヘルスケアは、「セルフケア」、「ラインによるケア」、「事業場内産業保健スタッフ等によるケア」及び「事業場外資源によるケア」の「4つのケア」が継続的かつ計画的に行われることが重要とされており、「労働者の心の健康の保持増進のための指針」では、ストレスチェックはあくまで、メンタルヘルス不調を未然に防止する「一次予防」とされています。
従業員の自己肯定感(自分が自分であることに満足し、価値ある存在として受け入れられること)を高めるには、「相手を認めて承認すること」もメンタルヘルスの向上に効果的とされています。
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投稿日:2022/07/11
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