人事・労務の知恵袋

人事・労務 物価高騰の影響を受けて 中小企業の7割は給与アップ

【執筆者】社会保険労務士法人スマイング コンサルティンググループ マネージャー 薄田 順矢

バックオフィス業務のコンサル業務を手掛けるエフアンドエム社は、中小企業を対象に「昇給制度の有無や今年度の昇給予定金額」について調査を実施したところ、今年度の昇給予定について「実施する」と答えたのは76%、「実施しない」は12%であることが分かりました。
「昇給を実施する」と答えた企業に対し、月給ベースでの平均昇給額を尋ねた結果、「1000円超~3000円未満」(20%)が最も多く、次いで「3000円超~5000円未満」(19%)、「5000円超~1万円未満」(19%)と、ほぼ並んで約20%となります。
昇給金額が決まっている企業の昇給率を見ると、「1%超~3%未満」(51%)が最も多く、次いで「3%超~5%未満」(27%)、「1%未満」(10%)となり、「2023春季生活闘争方針」(春闘)では5%程度の賃上げが要求されていますが、それを下回る企業が目立ちます。
正社員に対するの昇給制度の運用状況は、「毎年決まった時期に昇給を実施している」(59%)、「不定期に実施している」(29%)、「原則実施していない」(7%)となります。
業種別にみると、「毎年決まった時期に実施している」と答えた割合は「情報通信業」が83%、「不定期に実施している・原則実施していない」は「運輸業」が36%と、それぞれ最も多くなっています。
「不定期に実施する」と答えた企業の63%は、今年度は昇給を「実施する」と回答しており、この結果について、同社は「物価高騰の影響を考慮して多くの企業が賃上げを実施することがうかがえる結果となった」とコメントしています。
賃金テーブルの下限を引き上げや、人事評価制度の昇給率・昇給額などを見直しをされる企業は増えております。
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投稿日:2023/04/10
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