東京商工リサーチ社の調査によれば、政府が検討している支援策「3歳までの在宅勤務」「3歳までのフレックスタイム制の適用」「就学前までの残業免除権の拡大」のうち、1つ以上の導入で「業務に支障が出る」と回答した企業が半数(49.9%)を占めていました。
支援策別の「支障あり」の回答では、「3歳までの在宅勤務」(38.1%)が最も多く、「3歳までのフレックスタイム制の適用」(26.1%)、「就学前までの残業免除権の拡大」(23.7%)となります。
産業別の「支障あり」の回答では「製造業」(55.3%)が最も多く、「建設業」52.8%、「小売業」が52.4%。これら3産業が半数を占めており、3産業とも「3歳までの在宅勤務」に「支障あり」の割合が高くなっております。
業種別の「支障あり」の回答では、「学校教育」(81.8%)が最も多く、「宿泊業」「社会保険・社会福祉・介護事業」「飲食店」(同61.2%)など、対面サービス業の構成比が高かった業種が上位に挙げられており、製造業も上位15業種のうち7業種を占め、人手不足が解消しない中で、製造ラインの人員見直しが難しいことが伺えます。
東京商工リサーチ社は「政府の支援策の拡充で仕事と育児が両立しやすくなることが期待される。だが、資金的な制約で支援策の導入が難しい企業では、子育て世代の働き手の雇用を抑制することが懸念される。従業員の働き方に加え、子育て世代の従業員採用への支援を抱き合わせた制度の検討も必要だろう」と指摘しています。
IT企業の場合は、フレックスタイム制の導入企業も多く、コロナ後も在宅勤務を継続している企業が多くありますので、業務に「支障あり」の企業は少ないと思われます。
育児短時間勤務を3歳以上にするなど、会社独自の育児休業関連の制度を検討される企業も多くなっているように見受けられます。産業・業種によっては、在宅勤務やフレックスタイムの導入が難しいようですので、そういった企業の場合は、別の制度を拡充することが効果的かもしれません。
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