人事・労務の知恵袋

人事・労務 派遣労働に関する実態調査

【執筆者】社会保険労務士法人スマイング コンサルティンググループ マネージャー 薄田 順矢

東京都産業労働局は、派遣労働に関する実態を把握するため、派遣元、派遣先、派遣労働者に対して4年に一度実施している「派遣労働に関する実態調査」の結果を公表しています。
調査結果のポイントは下記になります。
「派遣労働者調査」
同じ仕事をする正社員と比べて「時間あたり賃金」に格差があると回答した割合は68.5%で最も多く、次いで「福利厚生」に格差があると回答した割合は52.4%となります。
また、時間あたり賃金を「同じにしてほしい」と回答した割合は24.5%、「立場上やむを得ない」と回答した割合は44.0%となっています。
「派遣元調査」
派遣労働者を無期転換した「実績がある」と回答した事業所は47.3%となり、通算契約期間が5年を超えた派遣労働者への対応方針については、「通算契約期間が5年を超えかつ労働者からの申込みがあれば、無期労働契約に転換する」が43.1%と最も多く、次いで「通算契約期間が5年を超えていなくとも、一定の契約期間を満たした労働者からの申込みがあれば、無期労働契約に転換する」が22.8%となります。
また、派遣労働者の待遇決定方式は、「労使協定方式」が72.3%で最も高く、次いで「主に労使協定方式」(8.3%)、「均等・均衡方式」(6.3%)となっています。
「派遣先調査」
受け入れた派遣労働者の待遇決定方式については、「労使協定方式のみ」、「主に労使協定方式」と回答した事業所が70.5%、受入れを「労使協定方式に限定している」と回答した事業所は32.1%、自身の待遇決定方式を「知らない」、「わからない」と回答した派遣労働者は合わせて63.4%となっております。
派遣労働を取り巻く関連法規はこれまで幾度となく改正がおこなわれております。特に、派遣労働者の同一労働同一賃金の施行は影響も大きかったのではないでしょうか。
上記の調査結果を参考にしてみてはいかがでしょうか。
弊社運営サイト「IT人事労務ネット」のトピックでは、労働者派遣を行うIT企業向けに一般労働者の賃金水準の年度ごとの比較なども掲載していますので、ご参考にしてくださればと存じます。

 

投稿日:2023/07/03
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