KADOKAWA社が、IP(知的財産)事業の海外展開を進める中、外国籍社員の就業環境を整備する狙いで外国籍社員向けに一時帰国先で年間最長90日間テレワーク可能な制度導入を発表しています。
制度名は「一時帰国サテライトワーク制度」で、期間は1回につき最長30日間・年度中3回まで利用でき、一時帰国中の利用を想定しているため対象は旅券保有地のみ、期間中は現地での在宅勤務を原則とし、社員は現地時間の午前5時から午後10時までのうち7時間勤務としています。
導入の背景には事業のグローバル化と、母国を離れて働く外国籍社員特有の課題があったため、一時帰国中の母国で家族と生活しながら、グローバル人材にとっての就業満足度の向上を目指しているとのことです。
実際に利用した社員からは「母国を離れて東京で生活する期間が長くなり、ここ数年、両親の誕生日や墓参りなど、家族にとって大切な年中行事にほとんど参加できていなかった。両親が自分の仕事ぶりをそばで見ることができるため、日本でどのような仕事をしているか理解してもらうきっかけになった」、「コロナ禍で帰省がなかなかできず、数年間家族に会えない状況が続いていた。日々の生活を通じて、中国現地のトレンドなどの動きをリアルに感じることができ、情報収集と新たな企画の考案が実現できた」などの意見が挙げられているようです。
KADOKAWA社のように、外国籍社員の雇用は増えているのではないでしょうか。
実際に相談があった事例として、母国が南アジアのITエンジニアを雇用している企業が、母国での冠婚葬祭のため一時帰国中のテレワークを許可したところ、実家がインターネットに接続できる環境が無くテレワークが出来なかったケースや、インターネットの接続ができた居住地に多くの世帯が同居しており、情報漏洩のリスクがあったためテレワークを認められなかったというケースもお聞きしております。
外国籍社員の母国でのテレワークを認めるには、その国の文化やテレワーク予定エリアのインフラなども確認が必要かもしれません。
デジタル人材の人事評価制度セミナー