MS-Japan社の調査により、親の介護のために「離職・働き方を変更」した経験がある人は約4割に上ることがわかりました。
親の介護経験があるのは21.6%で、年代別に見ると50代以上は30.6%が経験しており、親の介護に対して「不安がある」人は93.5%になります。
具体的な不安点について、回答は同率で「仕事との両立」「精神的な疲労」(60.8%)が最も多く、「経済的な不安」(58.3%)、「体力的な疲労」(52.8%)が上位に挙げられていますが、実際に介護をして大変だった点について、「精神的な疲労」(50.7%)が最も多く、順に「仕事との両立」(38.4%)、「体力的な疲労」(34.9%)となります。
親の介護で不安な点では「仕事との両立」と「精神的な疲労」が同率1位となった一方、実際に介護を行った経験者からの回答を見ると、「精神的な疲労」が最も大きな負担であることが明らかに。介護に対する不安と実際の負担には、こうしたギャップが存在することがわかります。
親の介護のために離職や働き方の変更をした経験がある人は35.6%と、実際に働き方を変えた人は19.4%、退職した人は3.2%、休職した人は9.7%となります。男女別で見ると、離職や働き方の変更をした経験がある男性は30.9%、女性は57.9%と男女間で経験した割合に差が生じておりました。
育児介護休業法では、労使協定を締結すれば、介護休養や介護短時間勤務は入社1年未満の者などの申し出を拒むことができることになっております。
労使協定を締結していた企業でも、せっかく採用した人材が離職につながらないように入社1年未満の者にも介護休業や介護短時間勤務を認めるケースもお聞きします。
令和7年4月より「介護離職防止のための仕事と介護の両立支援制度の強化等」の法改正も予定されております。育児休業については法を上回る制度に変更する企業もお聞きする機会が増えましたが、今回の法改正を機に介護休業の制度についても見直すことも一考かもしれません。