【今回のポイント】
1.実務上では一定期間の勤務予定により始業・終業時刻を把握し、業務上の必要に応じて制限を行う場合もある
2.清算期間内での実働時間が足りない場合は、次の清算期間でカバーする事もできる
フレックスタイム制は、社員が始業時刻と終業時刻を自主的に決定し働く制度です。
では一旦フレックスタイム制を導入したら、会議のために出社時刻を制限したり、早出や残業を命じる事はできないのでしょうか。
原則としては、会議のために出社時刻を制限するなどは、対象社員の同意がなければできない形となりますが、これでは実務に支障が出てしまいます。
社員に出退勤時刻を委ねるとはいえ、毎日、好きな時間に出社・退社されるのは、やはり実務に支障が出てしまいます。
これらを解消するために、事前に一定期間分の勤務予定をたて届出をしてもらい、届出された勤務予定を元に、会議など業務上必要があれば出社時刻を制限したり、残業を命じる形を取るのも一方法でしょう。
なおフレックスタイム制での時間外労働は、清算期間内での総労働時間を超えた分を時間外勤務手当として計算し支給します。
この超過時間分を次の清算期間分に充当することは、清算期間内分として支給されるべき給与の一部が支払われないこととなり、労働基準法第24条に違反するものとなるため、清算期間での超過時間分は清算期間での給与として支払わなければいけません。
逆に清算期間内での労働時間に不足があった場合は、不足時間分を給与から控除する方法の他、この不足分を次の清算期間での総労働時間に加える事も可能です。
ただし、不足時間を加えた結果、次の清算期間での総労働時間が法定労働時間を超える場合は、この超える分を時間外手当の対象としなければいけません。
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人事・労務の知恵袋
- 就業規則 フレックスタイム制(2)
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投稿日:2012/05/31
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