日本経済新聞
高齢者を積極的に雇用する中堅・中小企業が増えている。専門性の高い技術やノウハウを若年層の育成や営業に活用したり、大企業で培ったマネジメント力を生かしたりする。2013年度から厚生年金の支給開始年齢が段階的に引き上げられるのに備え、企業は高齢者雇用対策に乗り出さざるを得ない。中堅・中小各社の動きはこれを先取りするものだ。
機械加工の笹川製作所(東京・大田、笹川典一社長)は65歳の定年に達した従業員と個人事業者として契約を結ぶ「社内外注制度」を導入、6人と契約した。
同社は発電所向けタービンやポンプなど、「技術取得に10年はかかる」(笹川社長)部品の加工を手掛けている。契約者とは定年前と同じ勤務形態で働いてもらうと同時に、20~30歳代の社員とペアを組み、技能の伝承をしてもらう。
制度利用者に賞与や交通費などを支給しない。確定申告などの手続きも自分でしてもらうが、時給制で支払う給与は、定年前と同水準にした。
中古厨房機器販売のテンポスバスターズは、パートを含めた従業員のうち60歳以上が128人(11年4月末時点)。5年間で約6割増やした。全従業員に占める比率は28.7%と約10ポイント上昇している。
中古厨房機器の修理・再生部門を中心に高齢者の専門的な技術を生かすのが狙い。また入社年次が浅い社員が店長に就くケースも少なくないため、接客技術の向上や職場の雰囲気づくりなどで高齢者の経験を生かす。
大企業の幹部を務めた人材を活用する動きも広がっている。人材サービスのレイス(東京・港、藤修社長)は、上場企業の役員・部長経験者を中堅・中小企業に顧問として1年程度派遣し、販路の開拓や工場の生産性向上などにつなげるサービスを展開する。
現在、登録者数は約2100人。毎月50~100人のペースで増えている。11年の中堅・中小企業との成約件数は約500件と、10年比でほぼ倍増した。12年は1000件の成約を目指す。
一般社団法人のディレクトフォース(真瀬宏司代表理事)には上場企業の元幹部が約600人登録。02年の発足以来、累計で約80件のベンチャー企業の販路開拓支援の実績があり、「リーマン・ショック後、増えている」という。
(以上、記事より)
定年を迎える社員を積極的に活用しようとする動きとして注目されます。
労働力人口が今後減少していく中、中小企業では若年層の取り込みが難しく、一方で中高齢者の雇用を確保していくにはどうするかという課題があります。
バブル崩壊後、中高齢者のリストラが加速した結果、社内組織の構成バランスが崩れ、特に製造業ではノウハウや技術伝承が途切れてしまい、作業内事故が増えて時期がありました。
ベンチャー企業でも、若年層だけでは気付かない企業リスクを抑えたり、今までの人脈を活かしてもらうために、高齢者を営業や総務業務に加えて活用しているケースもあります。
外国人・高齢者と様々な角度から自社に必要とする人材を雇用し活かしていける仕組みを短期間で作っていける中堅・中小企業が、日本を元気にしてくれそうです。
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