人事・労務の知恵袋

人事・労務 仕事量と個人の性格が長時間労働につながる

労働政策研究・研修機構では「仕事特性・個人特性と労働時間」を調査した結果を公表しました。

調査では、限られた人員で多くの業務を行っていること、顧客対応・会議の多さ、上司が残業を当然と考えていることによって、さらに労働時間が長くなる傾向にあるようです。

結果概要は以下のとおり。
【自分の仕事や上司の性質と労働時間の関係】
①他社・他者との関係性の強さが労働時間を長くする
②自らの業務目標の明確さや進め方の裁量度の高さが労働時間を短くする
③上司が残業を当然と考えていると労働時間が長くなる
④上司が個々の部下の業務負担等を考慮していないと労働時間が長くなる

【仕事に対する自分の意識と労働時間の関係】
①自らの仕事や役割に対する目標設定の高さ(まじめさ)が労働時間を長くする
②自らの仕事の出来に関して自己評価が高いと労働時間が長い
③仕事志向が強いほど労働時間が長い

【管理職に関して】
①部下の人数が多いほど労働時間が長い
②長時間労働対策の実施が重要

【長時間労働対策として重要なこと】
①業務目標・役割の明確化
②会議や打ち合わせの簡素化と裁量度の強化
③管理職の本来業務であるマネジメント業務の重視
④まじめな労働者に対するケアと心身の健康管理
⑤有効な長時間労働対策の実施

つまりは
初めから残業を見込んだ業務量としないようにする、
残業するのを当然としない、
本人の性格によるところは当人に与える業務量と成果のバランスを考える、
ノー残業デイや終業時間の呼びかけなどで労働時間を意識させる、

など、コスト意識を持ちながら各自の業務量を見極め、長時間労働に対するケアが必要といえます。

とはいえ年末の繁忙期には残業も多くなりがちです。
個々の従業員をケアしながら、全員協力して業務に臨む意識を高めていきたいものです。


「仕事特性・個人特性と労働時間」調査結果(労働政策研究・研修機構)
http://www.jil.go.jp/press/documents/20101207.pdf

投稿日:2010/12/14
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