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裁判・判例 自宅作業も業務と労災認定 心臓疾患死のマック店員

1月18日 共同通信
2000年11月に心臓疾患で死亡した日本マクドナルド(東京)の男性社員の遺族が、労災と認めなかった処分は不当として国に取り消しを求めた訴訟の判決で、東京地裁は18日、「発症は業務が原因」として、請求通り処分を取り消した。

渡辺弘裁判長は判決理由で、男性の時間外労働が発症前の1カ月間で少なくとも約79時間あったとしたほか、自宅でのパソコン作業なども業務に当たると判断。
「強い業務の負荷に長期間さらされ、疲労の蓄積や過労が心臓の異常を引き起こした可能性が極めて高い」と指摘した。

判決によると、男性は大学卒業後の1999年4月に入社。2000年11月、川崎市内の店舗に出勤した直後に倒れ、病院に運ばれたが急性心機能不全で死亡した。
遺族は川崎南労働基準監督署などに労災を申請したが「業務起因性が明らかではない」と退けられていた。
(以上、記事より)

過労死に関する判決です。

自宅でのPC作業も業務に該当するとし、月間80時間近い時間外勤務に含まれている点に注目されます。

店舗内での業務の他、自宅作業の時間に関する業務遂行性が認められたものですが、判決では業務形態は深夜勤務を含む不規則なもので、正社員はサービス残業が常態化していたと指摘しています。

自宅作業も認定されたというのは、PCのログやデータのタイムスタンプ等で作業時間の把握ができていたという事。
自宅作業に対する業務指示があったのかは不明ですが、状態として自宅作業が発生していた実態が認定の要因ではなかったかとも推測されます。

過重労働と健康障害は、労働行政上でも重要視されている課題のひとつ。

一定時間の残業が続く等の勤務実態がある場合には、十分に注意する必要があります。

投稿日:2010/01/19
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