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裁判・判例 オリンパス社員の請求棄却 内部告発後の異動「正当」

1月15日 産経ニュース
社内のコンプライアンス(法令順守)窓口への通報内容を漏らされ、不当な配置転換を受けたとして、大手精密機器メーカー「オリンパス」(東京)の社員浜田正晴さん(49)が、会社や上司に異動先で勤務する義務がないとの確認などを求めた訴訟の判決で、東京地裁は15日、「会社に不当な目的は認められない」として請求を棄却した。

田中一隆裁判官は判決理由で「配転命令による原告の不利益は、賞与減額を前提としてもわずかなもので、命令が報復目的だったと容易に認定しがたい」と判断した。

判決は、通報について「原告は人事部などに開示されることを承諾しており、内容も抽象的」と指摘した上で「業務と人間関係両側面の正常化が目的だったと社は認識していた。公益通報者保護法が保護する『通報対象事実』に当たる通報だったと認めることはできない」と結論付けた。
(以上、記事より)

内部告発に対する不利益扱いとする主張を認めない判決です。

通報内容が割合抽象的であり法律で保護すべき内容とされていない点、配置転換も本人が感じている程度の不利益性がないと判断されています。

内部告発は、社員側からすれば思い切った行動である事は事実。
企業側とすれば通常の処遇として対判断したものも、告発した社員からすれば不利益扱いと捉えてしまう事もあるでしょう。

企業からすれば従業員との関係は1:Nであっても、従業員からすれば企業との関係は1:1であって、それぞれの関係性は、良い方向にも悪い方向にも簡単に傾くものだと再認識する必要があるようです。

投稿日:2010/01/18
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