今回の改正で、定年後の継続雇用制度の対象となる企業の範囲をグループ企業まで拡大する仕組みが設けられます。

現行方でも、継続雇用制度の措置を講じているかどうかの判断のひとつとして、定年後に子会社やグループ会社へ転籍させ、転籍先において65歳までの雇用が確保されていれば、親会社として高年齢者雇用確保措置を講じたものとみなされていました。

今回は、この子会社や関連会社を含んだグループ企業まで拡大した形とし、全体として継続雇用制度を設ける仕組みが整備される事となります。

ポイントはグループ会社の範囲を決定するための具体的要件と、子会社・関連会社で常時雇用される状態にあるかどうか。

特に子会社が派遣会社であるような場合は、継続雇用される労働者を常時雇用することが必要であると考えられます。

現行法でも以下の状態にある場合には、常時雇用されていると判断されています。

1)期間の定めがなく雇用されている

2)一定の期間(例えば、2か月、6か月等)を定めて雇用され、雇用期間が反復継続されていて、事実上は無期雇用と同等とされるもの(過去1年を超える期間について引き続き雇用されている、または再雇用の時から1年を超えて引き続き雇用されると見込まれる)

3)日々雇用される者であって、雇用契約が日々更新されて事実上は無期雇用と同等とされるもの(過去1年を超える期間について引き続き雇用されている、または再雇用の時から1年を超えて引き続き雇用されると見込まれる)

4)雇用保険の加入要件を満たさないパートタイム労働者であっても、1~3のいずれかに該当すれば「常時雇用される」と判断されます。


グループ会社の具体的要件については、親会社と子会社の関係性(子会社に対する議決権など)や関連会社の関係性について、今後定められていくものとなります。


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