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裁判・判例 過労自殺 九電工に賠償命令「長時間労働放置」と批判

12月2日 産経ニュース
長時間労働で平成16年にうつ病を発症し自殺したとして、九電工元社員=当時(30)=の妻(34)と両親が同社に損害賠償などを求めた訴訟の判決で、福岡地裁は2日、計約9900万円の支払いを命じた。

判決理由で岩木宰裁判長は、元社員はうつ病発症までの1年間、毎月100時間超の時間外労働をしており、16年に入ってからは平均150時間を超え「極めて大きな負荷だった」と指摘。
元社員が労働時間を過少申告していることを認識しながら指導しなかった点を「状況を是正せずに放置した」と批判した。

判決によると、元社員は空調衛生施設工事の現場監督で、顧客企業への対応と同時に施工図も作成。16年7月にうつ病となり、9月に自宅マンションから飛び降り自殺した。
(以上、記事より)

過労死が原因での注目される判決です。
1ヶ月平均150時間の残業時間は、1ヶ月20日勤務とすれば1日あたり7.5時間の残業時間となり、法定勤務時間と合わせて1日15.5時間勤務になります。

勤務状況は、通常、実就業時間と時間内の勤務実績から判断されますが、物理的に長時間勤務が継続する場合は、やはり企業側の管理責任として大きく問われるところと考えます。

ちょうど12/5号の週刊ダイヤモンドに、「企業への残業代請求急増の恐怖」として、消費者金融業界を襲った過払い金請求の激増と同様に、今後は企業に対する未払い残業代請求が増加する可能性を示唆した記事が寄稿されていました。

以前より危惧していた未払い残業代請求に、弁護士が関与してくるとすれば、企業側のダメージは計り知れないものがあります。

法律通りに支給している企業であれば気にするところはありませんが、多くの中小企業では大なり小なり時間外労働に関する課題を抱えているのが現実。
本気で自社の労務管理を見直さなくてはいけない時期なのかもしれません。

未払い残業代請求に関しては、明日発行のメールマガジンで取り上げたいと思いますので、ご興味のある方はぜひ読者登録を。
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投稿日:2009/12/03
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