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例えば、営業部長として採用した社員が、会社で期待したほどの能力を発揮できない場合、会社としてはその社員との雇用契約を解消(=退職)できるように、当初より雇用契約を締結する必要があります。
新卒採用の場合は、具体的業務に応じた能力・実績を約束できるものではありませんので、よほどの事情がない限りは、能力不足を理由として雇用契約を解消するのは難しいのですが、上記のような特定の地位や実績を果たすことを約束して採用する中途採用の場合は、能力がなければ、雇用契約を解消する事が可能と考えられます。
ただし、解雇権濫用にあたらないようにするためには、以下の点に注意が必要です。
1.雇用契約書を書面で取り交わし、特定の地位である事を明確にする
2.特定の地位での業務内容と具体的な実績目標を明確にする
3.給与は、社内の給与水準に比較しながら、特定の地位として問題のない金額を設定する
入社より一定期間を経過しても、設定された目標水準に達していない場合には、本人が誠実に業務を行っていたとしても、雇用契約を解消する理由にはなると考えます。
新卒採用で入社した社員が会社経歴から部長職になった場合は、上記の扱いは難しく、配置転換か降格の扱いが必要となるでしょう。