毎日jp
厚生労働相の諮問機関、社会保障審議会の「短時間労働者への社会保険適用等に関する特別部会」(部会長・遠藤久夫学習院大教授)は1日、初会合を開き、厚生年金などをパートら非正規雇用労働者にも広げるための議論を始めた。
政府は税と社会保障の一体改革で「400万人拡大」との目標を掲げており、厚労省は週30時間程度以上となっている加入要件の労働時間を週20時間以上に短縮する案などを例示した。
だが、事業主の保険料負担増に直結するだけに、パートを多く抱える流通・小売業などの反発は必至だ。
厚労省は年内に改革案をまとめ、来年の通常国会に関連法案を提出することを考えている。
パートらの厚生年金や企業健保への加入要件は、正社員の労働時間の4分の3(週30時間程度)以上。
厚労省によると、非正規雇用労働者約1800万人のうち、厚生年金・企業健保適用者は1000万人程度だ。
残る800万人は国民年金や市町村の国民健康保険(国保)に入っているが、保険料には事業主負担がなく、年金給付額も厚生年金を下回る。
自公政権も適用拡大を目指した。だが、厚生年金・企業健保は事業主にも保険料負担がある。
流通業界などの反発で拡大対象を「従業員301人以上」の企業のパートなど10万~20万人に絞った末、07年に法案を国会に提出したものの、当時の野党、民主党の反対で廃案となった。
この反省も踏まえ、厚労省は1日、加入要件となる賃金を、07年法案の「月額9万8000円以上」より引き下げることも論点に挙げた。
配偶者の扶養を受ける第3号被保険者となるかならないかの分岐点「年収130万円」の水準も下げる。
最終的には雇用保険の要件「労働時間週20時間以上」「31日以上の雇用見込み」にそろえ、新たに400万人を加入させる考えだ。
ただし、パートの50%は従業員100人未満の事業所で働く。
1日の同部会でも中小企業団体の代表は「円高などで大変。配慮してほしい」と訴えた。
厚労省内でも「一気に400万人は難しい」との声が大勢を占める。
適用拡大には、国民年金が取り残されるという問題もある。
厚労省は多くの国民を厚生年金に加入させ、国民年金を縮小することで「年金一元化」に近づけることも狙うが、同省は09年、国民年金の実質価値を今後26・5%引き下げないと財政がもたないとの検証結果を公表している。
ニッセイ基礎研究所の中嶋邦夫主任研究員は「国民年金加入者が減ると、国民年金の財政バランスをとるのが一層難しくなる」と指摘している。
(以上、記事より)
つい先日、パート労働者に対する厚生年金保険加入要件引下げに関するニュースがありましたが、社会保険審議会で具体的な施策検討に入るようです。
雇用保険の加入要件に合わせ「週20時間」「31日以上の雇用見込み」を一定の目安とする案も出ているようで、小売・流通業に限らず、パート労働者を活用している企業には社会保険料の負担増と労働者確保が難しくなり、扶養親族の範囲を活かしてパート勤務している方には働き方を考えていかなくてはいけない面も出てきます。
専業主婦の年金問題(第3号被保険者)、パート勤務している主婦の働き方と保険料負担、フリーターの問題が複雑に絡んでいる点を考慮した施策となるよう検討して欲しいものです。
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