人事・労務の知恵袋

人事・労務 東京労働局の過重労働に対する指導結果 8割以上が法令違反

8月28日 東京労働局発表資料より。

・指導の対象となった事業場
労働時間の不適正な管理、長時間労働や不適切な健康管理を原因として過重労働による健康障害を発生させ、労働基準監督署長が労災認定を行った57事業場。

・実施時期
平成20年4月1日~平成21年3月31日

・指導結果の概要
監督指導を実施した57事業場の84%(48事業場)に法令違反が認められ、是正勧告を行った。
違反項目別では、労働基準法では労働時間(同法第32条)に関する違反率が61%と最も高く、また労働安全衛生法では衛生委員会の設置(同法第18条)に関する違反率が30%で最も高い結果となった。

監督指導を実施した57事業場のうち23%の13事業場では、過重労働による健康被害を受けた労働者に対し、発症前の1年間に健康診断(採用後1年未満の者は雇入時の健康診断を含む。)を受診させていなかった。

同じく61%の17事業場では、発症前の健康診断で何らかの所見が認められた被災労働者に対し、健康診断の事後措置を講じていなかった。

同じく63%の36事業場では、被災者が発症した時期に、医師による面接指導等の措置を講じていなかった。

発症後、長時間労働の是正や、医師による面接指導等について自主的に改善を行った事業場は、47%(27事業場)であった。
(以上、発表内容より)

昨年度に労災認定を行った事業所に対し、実態把握と指導のために実施したものです。

過重労働=長時間労働が原因による労災申請・認定となったにも関わらず、80%以上の事業所で労働時間管理の改善がされていなかったというのは、企業側が労災申請をされている事実と自社の実態に対する認識が甘かったのではないかと考えます。

労務コンプライアンスに対する企業意識が高まってきているというものの、まだまだ現実としては対岸の火事程度の認識が多いようで、火の粉が降りかかってきて初めてあわてて火消しを始め、火消しが終わったところで、ようやっと自社の実態を再認識する。。。

企業が存続しない限り、従業員の雇用も確保できません。
一方で、従業員が自社を愛し気持ち良く働いてもらわないと、企業経営にも大きく影響を及ぼします。
企業と従業員の関係をコンプライアンスをしつつどうやって保っていくべきなのか、景気も政治も変化しそうなこの時期だからこそ、企業も見直しを必要としているのかもしれません。

過重労働による健康障害を発生させた事業場に対する監督指導結果について(東京労働局)
http://www.roudoukyoku.go.jp/news/2009/20090828-kajyuu/20090828-kajyuu.html

投稿日:2009/09/07
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