【今回のポイント】
1.法律で決まっているのは減給の制限
2.処分無効とならないよう慎重に取り扱うこと
懲戒処分とは、使用者が労働者に対し行う労働関係上の不利益措置のうち、企業秩序違反行為に対する制裁をいいます。
つまり会社のルールに違反した回数や度合いに応じて制裁を科すことをいいます。
どのような種類の処分が可能かは法律で定められているものではなく、労働基準法第91条「減給の制裁」について規定されているのみとなります。
一般的には、譴責(けんせき)・戒告、減給、出勤停止、諭旨解雇、懲戒解雇といった懲戒処分を、処分程度の軽いものから重いものまでを就業規則等に定めます。
■戒告
始末書を提出させずに将来を戒めるもの
実務上では、懲戒処分ではない事実上の注意が多用される
■譴責
始末書を提出させて将来を戒めるもの
■減給
本来ならば支給されるべき賃金の一部を差し引かれるもの
労働基準法第91条により「1回の減給額が1日分の平均賃金の半額を超え、減給の総額が1賃金支払期(給与計算期間)での賃金総額の10%を超えてはならない」とされる
■出勤停止
懲戒処分として一定期間の出勤を禁止するもの
あまりに停止期間が長いと処分無効となる可能性もある
■諭旨解雇
処分として一番重い懲戒解雇となる事由があり労働者を懲戒解雇することができるが、会社側の温情により、退職金や、解雇予告手当等の点で、懲戒解雇処分より緩やかな処分とすること
■懲戒解雇
懲戒処分として一番重いもの
就業規則等に定められている懲戒処分内容に基づいて労働契約を使用者が一方的に解消するもの
通常、懲戒解雇では、退職金や解雇予告手当を支給せずに即日解雇とする
懲戒処分は就業規則等の労働契約に基づくものであり、使用者側が自由に決めることができる一方、実際に処分を下す場合には十分な注意が必要です。
処分をするにあたっては、懲戒処分とされる事由と処分の程度が就業規則等に明示されてあり、この就業規則等が周知されている必要があります。
また当然の事ながら、
・懲戒処分となる事実を確認できる根拠が明確になっている事
・処分の程度によっては労働者本人に弁明の機会が与えられている事
・懲戒処分となる事由によっては処分対象者の上長の立場の者も連帯して処分される場合がある事
など処分が不当とされないよう客観的な事実根拠と適正な処分方法をとるよう求められます。
なお一つの違反事項に対して、2回懲戒処分を行うことは許されません。
一事不再理(二重処罰の禁止)という考え方で、一度判決が決まれば、その罪では二度と罰することができないという原則です。
これは懲戒処分についても同じように考えられていますので、同じ違反行為に二重に処分することはできないとなります。
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投稿日:2012/11/02
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