人事・労務の知恵袋

その他 新入社員の7割が将来の賃金に不安

7月17日 asahi.comより

仕事の成果で賃金を決める企業が増える半面、社員の側は将来の賃金水準に不安を感じている傾向があるとの調査結果を、労働政策研究・研修機構が発表しました。

今年1~2月、社員100人以上の企業1万社と、その企業で働く正社員10万人を対象に調べ、1,291社(回答率13%)と7,168人(同7%)が回答。

仕事や職業生活で感じている不安や悩みについてたずねた社員への調査では、73.2%が「将来の賃金水準」を挙げてトップ。
「定年後の仕事、老後」(67.4%)、「会社の将来性」(64.8%)が続いた。

企業側の調査では、賃金を決める際、3年前に比べて重視するようになった項目として、一般社員に関しては「個人の成果」が55.2%、部長相当職以上では「会社・部門の業績」が67.1%でそれぞれ最も多く、成果主義の普及が伺えます。

過去3年間に実際に賃金制度の見直しを行った企業は55.5%に上り、その理由は「就業意欲を高めるため」(59.8%)、「従業員の貢献を賃金に反映するため」(50.9%)などが上位を占めていました。

一方で、賃金制度が見直された企業の社員側に賃金の決定方式の納得度を聞くと、「以前より納得していない」(26.7%)が「以前より納得している」(24.0%)を上回っており、同機構は「企業は人材重視の傾向を強めているが、社員とのコミュニケーション不足で労務管理がうまくいっていない」と分析しています。
(以上、記事より)


景気が回復してきているとはいえ、過去のように右肩上がりの市場成長が見込めず、企業規模に関わらず企業倒産や突然のリストラがある現状では、会社の将来性や賃金不安を感じるのもしょうがないのでしょうか。

特に、安定志向が強い新卒社員には、上記のような結果が出ても当然なのかもしれません。

企業側の動向として、成果主義的な賃金制度にシフトしている傾向が伺えますが、あまり成果主義に傾いても制度自体がうまくいかないという傾向がありますので、そこは注意が必要なところでしょう。

いくら良い制度を導入しても運用されなければ全く意味がありません。
賃金制度の導入に限らず、社員とのコミュニケーションはとても大切です。
社員の意識をいかに吸い上げて企業活動に反映させていくかが人事制度のカギになります。

投稿日:2007/07/17
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