人事・労務の知恵袋

年金・保険 4月から変わる年金制度(3) 繰り下げ受給と支給停止

年金受給時期の繰り下げと支給停止の申し出について。

本来であれば65歳から支給される老齢厚生年金を受け取らずに、66歳~70歳から受給するよう申し出をすると、受給を遅らせた年齢ごとに一定割合分を増加した年金を受給することができます。

受給する年齢を1ヶ月先送りにする毎に「0.7%」ずつ受け取る年金額が増え、上限の70歳で受給を開始すると、65歳から受け取る場合より42%増額された年金額となります。

ただし70歳まで年金受給を繰り下げると、本来65歳から受け取り始めた年金額と同額になるのは大よそ82歳頃とされていますので、この年齢を超える事ができれば、受給開始年齢を繰り下げた方が受け取り額が多くなりますが、その前に死亡してしまうと受け取り額は少なくなります。

自分は長生きするんだ!という方であれば、繰り下げた方がお得かもしれませんが。。。


今回、年金受給を支給停止するという制度が追加されました。
これはご自身で、年金を受け取らないと申し出をすると、その翌月から年金支給が停止され、再度希望すれば支給を再開できるもの。

ただし、再開した場合でも、支給停止していた期間の年金を受け取る事はできず、再開後に年金が増額されるわけでもありません。

なぜこのような制度が追加されたのか?について、社保庁のQ&Aでは、「年金の受給権者の意思により請求を行わず、結果として年金を辞退することは現行制度においても可能ですが、請求を行わないことにより年金を辞退していた受給権者が、年金の必要性が生じた時点で請求を行うと、請求時点以降の支給が開始されるとともに、時効消滅していない過去5年間分の年金も併せて支給されることになり、年金受給の辞退という受給権者の意思が貫徹されない結果となるため、受給権者の申出により年金の支給停止を行う規定が設けられた」とされており、自分の意思で年金受給をしなかった場合の公平性を保つためのような説明となっていました。

この説明が、この支給停止制度の本当の理由となるのか、今ひとつ疑問が残るところです。

投稿日:2007/04/04
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