有期労働契約を結んでいた契約社員が体調を崩し、欠勤がちになりました。
週に2~3日休む事もあり、このままでは業務にも支障が出てしまいます。
これ以上この状態が続くのは良くないと、本人と話し合いをしたところ、本人から退職の申し出があり自己都合退職として扱いました。
すると退職後に、今回の件は会社から退職を勧奨されたと主張していると、ハローワークから退職理由について問い合わせが入りました。
会社としては本人から申し出があったので自己都合退職と認識していたのですが、こういった場合、どのように扱うべきなのでしょう。
有期労働契約は、契約期間の満了をもって自動的に雇用契約が終了するものですので、契約期間途中で契約を解除する(退職する、解雇される)場合は、本人の意思によるものなのか(自己都合退職)、会社が退職勧奨をする・一方的に契約解除を通知してきたのかで、扱いが異なってきます。
特に雇用保険は、自己都合であれば失業給付が3か月後から受給開始となり、会社都合であれば待期7日で受給することができます。
まず大事なのは、退職に対する本人の意思がどうであったのか。
本人から退職の申し出があったのであれば「退職届」を書面で提出してもらいます。
特に今回のケースは有期労働契約期間の途中でもあるため、期間満了退職と異なる事から、意思表示があったのかどうかが大事になります。
ちなみに、形式的には「退職届」「辞表」は、一方的に解約(退職)の意思を通告する文書であり、「退職願」が合意解約を申し込む文書であるとされます。
これまでの判例では、わが国の労使関係風土から、使用者の承諾の有無にかかわらず、労働者が
一方的に労働契約を終了させるという明確なケースが少ないことなどを考慮し、一般に、労働者からの
退職の意思表示は使用者への合意解約の申し込みと解釈される傾向にあり、実務上、表題に「退職届」「辞表」と書かれていても、その内容が一方的な解約意思の通告とはなっていないと判断される事が多いのが実情です。
労働者に【断固として退職する】という意思が強ければ、合意解約の申し込みと解釈できるような表現
ではなく、その意思を明確に記載した「退職届」を提出してもらうべきといえます。
いずれにしろ退職理由は、双方にとって大事な事。
ボタンの掛け違いにならないよう、退職にあたっての意思確認・手続きをしっかり行う事が重要です。
労働契約の終了Q&A(大阪府)
http://www.pref.osaka.jp/sogorodo/kaikotaishoku-qa/keiyakuend-qa11.html
有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準について(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/roudoukeiyaku01/dl/14.pdf
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投稿日:2013/03/26
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