日本生産性本部が実施した、平成26年度「新入社員働くことの意識」調査結果より。
「人並みに働けば十分」が今年度さらに増加(昨年49.1→52.5%)。
「人並み以上に働きたい」(昨年42.7→40.1%)を大きく上回り、過去最高だったバブル末期と同様の売り手市場時の意識になってきた。
「どのポストまで昇進したいか」では、昨年度「社長」が過去最低(12.7%)を更新したが、今年度は「専門職<スペシャリスト>」が過去最低(19.9%)を更新した。
この10年の傾向として昇進志向とスペシャリスト志向双方の弱まりが見られる。
「この会社に定年まで勤めたい」が一昨年度34.3%で過去最高の数値となったが、昨年度は30.8%に減少し、本年度さらに28.8%まで減少した。
ここしばらく増加していたが、景況感の好転とともに減少に転じている。
「残業は手当てがもらえるからやってもよい」が急増し、昨年度の63.0%から69.4%と過去最高を更新した。
昨今のブラック企業・残業未払いのニュースをみて、残業はいとわないがそれに見合った処遇を求めている傾向がうかがえる。
「デートか残業か」では「残業」(81.3%)「デート」(18.3%)と、プライベートな生活よりも仕事を優先する傾向が伺えるが、ここ数年は、やや「デート派」が増加(昨年15.7%)している。
「第一志望の会社に入れた」は、一昨年度の60.9%から昨年度52.0%と大幅に減少し、設問設定以来で最低だったが、本年度は55.0%とわずかに改善した。
(ここまで)
毎年実施される新入社員の意識調査。
出世欲とスペシャリストを目指す志向が年々弱まっていっているようです。
競争志向が弱まり、組織に共存しながら互いにシェアする意識が高いともされます。
残業に対する意識が「手当がもらえるからやってもよい」というのはどうなんでしょう。
業務指示により必要があり残業するという認識があっての回答なのか、単に残業代が出る出ないの認識だけなのかが気になるところです。
時間外勤務に対する割増賃金の支払いはもちろん当然の事ではあります。
調査結果に合った「残業はいとわないが見合った処遇を求めている」からはうかがい知れませんが、権利だけを主張しているのではない事を願いたいものです。
平成26年度 新入社員「働くことの意識」調査結果
http://activity.jpc-net.jp/detail/lrw/activity001412/attached.pdf