人材確保のために企業は様々な対策を講じています。
そのひとつが「短時間勤務」。
特に小売行や流通業では、育児の合間など短い時間に働ける勤務制度を取り入れる企業が増えています。
イオンはパート労働者を対象に1日2~4時間だけ働ける制度を導入。
ファーストリテイリングは週20時間の勤務でも正社員として働ける制度を設けるなど、働き手の事情に応じて勤務時間を選べるようにし、多様な人材を確保する仕組みを積極的に導入しています。
2014年の総務省の労働力調査によると、週の労働時間が34時間以下の短時間労働者は1669万人と前年より84万人増えており、雇用者に占める割合も1.4ポイント上昇の30.6%と、初めて3割を超えています。
増えた84万人のうち50万人が女性。医療・介護で14万人増えたほか、卸小売業(7万人増)や運輸業(4万人増)など人手不足の業界が目立っています。
柔軟な働き方が広がれば、専業主婦など潜在労働力を呼び込む要因になります。
IT業界では恒常的な人材不足が続いており、高度な技術を必要とするエンジニアに留まらず、高度な専門知識を要求しないレベルの業務へ対応する人材への不足間も続いています。
帝国データバンクの今年1月の調査によると、情報サービス業の約6割が「正社員が不足している」と回答。
リーマン・ショック以降で最も高く、人材が足りず仕事を断る企業も出てきているとの回答もありました。
弊社の顧問先企業でも人材不足感が高く、エンジニアが確保できず仕事を失注するケースも実際に目にしています。
今後も金融機関などの大型のシステム開発が控えており、容易には人手不足は解消しない見通しとなっており、専門のエンジニア以外でも、ITに詳しい人材を必要としている企業は数多いのが現実です。
将来のIT人材育成に商機を見いだすベンチャー企業では、中高生向けのプログラミング教室を展開し、2011年からこれまでに延べ8千人が参加したとの事。
将来の需要の広がりには多くの企業が注目しており、グリーはアプリ開発者の育成を手掛ける米国のベンチャーと資本・業務提携し、自社の若手エンジニアの研修に活用するほか、社外の人でも参加できる講座の提供も検討しているようです。
優秀な人材を確保し続けるのは非常に難しく、将来性を見込んで人材教育を進めていくことも、企業の成長にはかかせません。
企業規模に関わらず、多様な働き方の場を提供しながら、一方では人材教育も並行して進めていき、自社の体力を強化していく事が求められています。