帝国データバンク「従業員の健康管理に対する企業の意識調査」より。
従業員の健康保持・増進策の目的は「福利厚生」が56.8%で最多、次いで「法令遵守」「従業員のモチベーションの向上」が4割台。
禁煙状況については「完全分煙」が55.2%で半数を超え最多となり、社内での喫煙を不可とする「全面禁煙」23.7%で企業の4社に1社の割合に。
健康保持・増進対策を実施する際の問題点として「経費がかかる」37.7%、「効果的な実施方法が不明」「時間確保が困難」「費用対効果が不明」「適当な人材確保が困難」が2割台で続く。
企業からも「従業員の健康管理はとても重要なことだと思うが、経費を考えると限度がある」や「コストがかかるという認識を従業員から得られにくいことが、費用対効果が感じられない要因」といった、経費がかかる一方でさまざまな理由で効果が見えにくいという声が多くあった。
過去1年間で月間の時間外・休日労働が100時間を超える過重労働となる従業員がいたかどうかでは、「いた」と回答した企業は12.5%。
過重労働時間の有無は企業規模や業界による違いが顕著。
規模別では「大企業」が21.7%で2割を超え、「小規模企業」の約4倍となっている。
その割合は、従業員数が増えるにしたがって増加しており、とりわけ従業員数が1,000人超の企業では3割に迫る割合となった。
また、業界別では『運輸・倉庫』と『サービス』が2割を超え、「放送」「人材派遣・紹介」「情報サービス」など人手が特に不足しているとされる業種で過重労働時間となる労働者を抱えている企業が多い。
過重労働者の割合が、小規模企業より大企業が多いという結果とされていますが、小規模企業での過重労働割合はアンケート結果よるも多いと実感しています。
大企業では超過時間に対する割増賃金の支払いが、法定通りに行われているところが多いのですが、小規模企業では、時間外勤務に対する割増賃金の支払いが法定通りに行われているところ決して多くはありません。
実働時間に対する考え方、労働時間の管理方法と、課題が多くある小規模企業での働き方や就業ルールの理解と整備が求められます。
参考)従業員の健康管理に対する企業の意識調査
http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p150603.pdf