長時間労働の問題や欧州に比べた日本の労働生産性の低さが、よく取り上げられるようになりました。
賃金増加やインセンティブ以外の方法で、社員のモチベーションや生産性を高めるにはどうすればいいか、企業にとっては重要なテーマだと感じます。
欧州の経済政策に関するウェブサイトで、社員のやる気を高めるには、「有意義な仕事を与えること」また「自分の仕事に意味が有ると確信させること」と、経済学者が新たな論文を公表しました。
裏付けとなった調査は、学生を二つのグループに分けてそれぞれに同じデータ入力の仕事を与えるというものです。
一方のグループに、データ入力が研究プロジェクトにとって非常に重要であることを伝え、もう一方のグループには、入力は単なる品質検査のためのもので、おそらくデータを使うことはないと伝え、データの入力量を比較すると、重要な仕事だと言われたグループの方が多くなったそうです。
また、ほとんど意味がない仕事だと言われたグループで、データ入力が最も速い学生の前に、周りの学生たちから見えるようにスマイルのバッジを置くと、その学生の入力量が多くなりますが、。興味深いことに、その仕事が重要だと伝えられたグループの場合、スマイルのバッジを置いても入力量に影響はありませんでした。
社員のモチベーションや生産性を上げるには、いかに日常の業務を「有意義な仕事」だと伝えること、もしくは頑張っている社員に適正な評価をすることも有効だといえます。
ある野菜加工の卸売企業が、最終的に市場に出回る商品を社員に示したことによって、社員の生産性が高まったという声を伺ったこともあります。
企業によって文化や社員の色はバラバラであり、研究者の中でも、モチベーションに関する研究は明確な答えが見つかっていないのが現状です。
インセンティブ、「有意義な仕事」と伝えること、個々の「持ち味」を活かすこと、承認欲求を満たしてあげることなど、何が自社にとって効果的であるか様々な方法を試していくことが近道かもしれません。
参考)従業員のやる気、お金以外で高める方法
http://jp.wsj.com/articles/SB11031890582215644392604582091671145934802?mod=JWSJ_EditorsPicks
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