アドビ社によるアメリカ社員を対象にした調査「パフォーマンスレビューに不合格判定」によると、人事評価の多くは時代遅れで、ランク付けや数値の評価をともなう文書のレビューなど時間の無駄(特に管理職)で、同僚間の競争を激化させ、人間関係上のストレスを増やしており、感情的なやりとりや退職にも繋がっていることが明らかになりました。
また、大多数の一般社員は数か月かけてまとめられたフィードバックを聞くより、すぐその場でフィードバックを受けることを望んでおり、半数以上の一般社員とマネージャーが、自分の会社が現行の人事評価を廃止するか、別の制度に変えてほしいと願っていることもわかりました。
アドビ社では、従来型の年次の人事評価を廃止し、2012年に一般社員とマネージャーが常に対話を行い、その中で明確な目標を決め、何度もフィードバックし合いながら、キャリアについて話し合うという独自の評価制度「チェックイン」を導入しました。
「チェックイン」導入後、マネージャーの評価に関する所要時間を最初の1年間で8万時間削減し、社員の仕事への意欲が高まり、離職率も下がり、会社の業績向上にもつながっています。
アメリカの大手企業が人事評価をやめる動きが注目されはじめていますが、アドビ社の「チェックイン」のように人事評価そのものをやめるわけではなく、職場でのコミュニケーションを強化し、マネージャーが日常的に部下のモチベーションを高め、成長支援することに重きを置くようになったということです。
日本企業の場合、管理職が部下を育成させる意識が低いことや部下の報酬や昇進などを決める権限がないことから、制度がないとほったらかしになる危険性があります。
評価スケジュールを四半期など短くし、中間面談も行い、管理職と部下がお互い目標設定し、フィードバックし合うような人事評価制度に見直すことは、職場のコミュニケーション向上から離職の低下やパフォーマンス向上に効果があります。
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https://www.nari-sr.net/media/seminar/201702-03
参考)アドビ 調査、従業員の人事評価のやり方が時代遅れになっていることを示唆
https://blogs.adobe.com/japan-conversations/adobe-performance-review-study/