人事・労務の知恵袋

人事・労務 女性活躍・ハラスメント規制法と対策

【執筆者】社会保険労務士法人スマイング コンサルティンググループ マネージャー 薄田 順矢

5月29日、職場のハラスメント対策の強化を柱とした女性活躍・ハラスメント規制法が成立し、パワハラだけではなく、セクハラについても強化策が盛り込まれています。

上記規制法のポイントは以下の5つになります。
・セクハラ、パワハラ、マタハラを「行ってはならない」と明記
・パワハラ防止の取り組みを企業に初めて義務付け、相談体制の整備など具体的な内容は指針で規定
・セクハラ、パワハラ、マタハラの被害を相談した労働者への解雇など不利益な取り扱いを禁止
・自社の労働者が社外でセクハラした場合、被害者側の企業による事実確認などの協力を努力義務とする(職場の同僚などに参考人として出頭を求め、意見聴取ができる)
・女性活躍の数値目標設定義務を従業員301人以上から101人以上に拡大する
・顧客からのカスタマーハラスメントや就活生へのセクハラは指針で対策を検討する

日本労働組合総連合会によるハラスメント被害による調査によれば、「職場でハラスメントを受けたことがある」(38%)、就活中については「セクハラを受 けたことがある」(11%)と答えており、被害内容については「性的な事実関係 (性体験など)の質問をされた」(44%)、「性的な冗談やからかいを受けた」(31%)など、性的なことを話題にされたというケースが多くなっていま す。

女性の場合は「食事やデートへの執拗な誘い」(20代女性で31%)や「必要ない身体への接触」(20代女性で23%)など、立場を利用して個人的な関係を持とうと誘ってきたり、身体に触れてきたりする被害が多くなっています。

会社や上司に対する不満や、かまってもらいたくてなど、何でもかんでもハラスメントだとアピールする社員が増えている傾向もあります。

ハラスメント防止に関する規程化や、研修やイーラーニング等で正しい知識の教育を実施する企業や、社員アンケートによる現状の実態把握、相談窓口や相談する際のワークフローの明示(家族からの相談も可など)による未然の防止策を講じる企業も増えています。

例えば、異性同士の上司と部下、取引先の異性との1対1の食事にはついては、セクハラのトラブルが発生した場合に、事実確認が難しいため、行かないように社内ルール化・指導している企業もあります。

研修プログラム>ハラスメント
https://www.nari-sr.net/business/training/harassment

弊社監修「職場のハラスメント標準問題集」
http://www.e-coms.co.jp/service/harassment/

投稿日:2019/07/01
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