オラクル社とFuture Workplace社が共同で、日本やアメリカ、中国など10カ国を対象に、AIの導入状況や人々のAIに対する受け止め方など「職場におけるAI」調査の結果を発表しています。
「職場で何らかの形でAIを利用している」と回答した従業員の割合は、昨年の同調査から1.5倍に増え、50%となり、国別では、多い順にインド(78%)、中国(77%)、UAE(62%)と続き、日本は調査国の中で最低の29%となります。
AI一緒に仕事をすることについては、65%の従業員が好意的に受け止めており、「自由な時間が増える」(46%)「新しいスキルの学習ができる」(36%)などが、AI導入により期待できる効果として挙げられています。
また、「マネージャーよりもロボットを信頼している」(64%)「ロボットの方がマネージャーよりもうまく物事をこなす」(82%)と回答し、AIが職場に浸透することによって、従業員とマネージャーとの関係が変化しつつあることも明らかになっています。
ロボットがマネージャーより優れている点について聞くと、上位には「偏見のない情報を提供してくれる」(36%)「スケジュール管理」(34%)「課題解決能力」(29%)などが挙げられ、マネージャーの方が優れているとされる点については「従業員の感情の理解」(45%)「指導能力」(33%)「職場カルチャーの創出」(29%)などが挙げられており、マネージャーがAIと共存していくためには企画の立案や進行管理といったものではなく、従業員のモチベーション維持など感情面でのサポートが求められていく可能性が高いと言えます。
また、職場へのAI導入を妨げている要因には「セキュリティー問題」「プライバシー問題」などが挙げられていますが、AI導入においての最大の障害は、取扱担当者が業務を論理的に整理できていないことや、倫理観を含めて必要な要件を定義できないなど論理的に考えるスキルが不足していると活用方法を間違うとも言われています。
マネージャーの感情面サポート能力の強化や、取扱担当者の倫理・論理スキルの向上など、リーダーとしての基礎力が職場において求められる時代になっていくでしょう。
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