企業の人事・総務担当者に対するアデコ社の調査によれば、緊急事態宣言下でテレワークを実施した企業の8割が半年後も継続している一方、テレワークに伴う制度の整備やオフィスの見直しはなかなか進んでいないことがわかりました。
テレワークを継続していると答えた人を対象にした「勤務先での出社日の設定」について質問では、53%が「出社日を決めていない」と回答しており、残りの「出社日を決めている」という回答では、最も多い設定が「週3日」で17%。「週4日以上」は13%、「週2日」は11%となります。
テレワークに対する懸念点については、「社員間でのコミュニケーション不足」が59%と最も多く、順に「部署内の連携がとりにくい」(47%)、「生産性の低下や業務への影響」(43%)、「セキュリティリスクが高まる」(38%)となります。
今後のテレワークに関する方針については、「現状の実施規模・頻度を維持」が38%で最多となり、「拡大/導入予定」も145%と半数以上がテレワークを導入・継続の意向になりますが、30%以上は「廃止、縮小、導入予定なし」となります。
テレワークを「拡大予定」「現状維持」と回答した人を対象に、「テレワーク補助など、新しい福利厚生施策などの導入状況」について質問すると、「実施済み」はわずか11%、42%が「検討中」とし、「実施予定なし」も29%を占めています。
勤務先がオフィスの移転や分散、縮小を検討しているかについては、51%が「現状維持」と回答しており、「減床」は7%、「移転・分散予定」は3%にとどまり、「決まっていない」は27%を占めています。
アデコ社は「緊急事態宣言下では、半ば強制的にテレワークへ切り替えた企業が多かったなか、テレワークでもオフィスと遜色なく業務が実施できることを体験した企業では、継続する傾向が見られる。そのため、導入していない企業でも、まずは実証実験のような形で導入し社員がテレワークの有用性を実感することが必要」と見解を示していています。
今後もテレワークを継続している企業で、人事制度や規定類について未対応の企業は対応する必要があるかもしれません。
テレワークにも欠かせない人事評価の仕組みづくり