米調査会社ガートナーが2021年1月に、2400人以上を対象に実施した調査によると、社員の仕事の成果を監視するシステムを導入している企業では、社員が仕事をしているふりをする確率がほぼ倍増するということが明らかになりました。
リモート求人サイトのフレックスジョブズ社の副社長は「管理側の役割は、従業員が最高のパフォーマンスを発揮できる環境を整えてあげることだ。自分が信用されていないように感じていると、ベストをつくすことがとても難しくなる」「ソフトウエアを通じた監視なしに仕事をさせてもらえるほどの信用を得られていないと感じる場合、どうすればそうした相手を信用できるのか?どうすればその物理的な安心感をつくれるのか?」とコメントしております。
米国企業の場合、この1年間で、新たにリモートワークを始めた従業員の仕事ぶりを監視するソフトを導入する企業は増加し、社員の入力履歴や検索履歴を記録したり、社員のパソコン画面のスクリーンショットを定期的に撮影したりするツールを導入しているようです。
企業倫理に特化したコンサルタント企業バーチュー・コンサルタンツ社のCEOは、従業員がそうした監視システムに不満を持っている場合、仕事ぶりを偽装するのは当然起きることだと指摘し、管理側が従業員の生産性を気にするのは不合理なことではないとしつつも、監視ソフト導入前にその意図や最終目標をしっかり検討すべきであり、事前に従業員側と話し合い、疑問を解消し、導入の意図を理解してもらうことも重要だ、とコメントしております。
米国企業の調査ですが、日本企業でも従業員の心理を考えると、同様のことが考えられます。
また、日本企業の場合、管理職がリモートに伴う業務管理への不安を抱えていたり、ビジネスチャットやオンラインツールなどのITツールに不慣れといった点があると、リモハラ(リモートハラスメント・テレワークハラスメント)を引き起こしやすいようです。
改めて、ハラスメント研修を実施したり、テレワーク規程の内容に、リモハラを禁止する旨を定めてみてはいかがでしょうか。
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