産業能率大総合研究所が実施した2025年度入社の新入社員の会社生活調査によれば、旧来の年功序列型の人事制度を望む声が2006年度以降、初めて「成果主義」を上回ったことがわかりました。
「年功序列」を望む新入社員の割合は、2022年度の38.9%から徐々に上昇し、2024年度には48.5%で過去最高となり、2025年度はさらにこの割合が高まり、記録を更新しています。
また、「終身雇用」を望む割合は69.4%、「同じ会社に長く勤めたい」とする回答も51.8%といずれも増加傾向にあり、安定志向の強さがうかがえます。
担当者は「競争より安定した環境で、着実に経験を積みながら働き続けたいという意識が新入社員の間で高まっている」と分析しています。
「就職先を選ぶ際に重視した点」の回答でも、「職務内容」(24・1%)や「職種」(9・5%)は減少傾向にあり、福利厚生」(56・4%)や「給与水準」(42・8%)といった待遇面は増加傾向になっています。
賃金制度を見直す際には、年功序列型を望む声が増加傾向になるのであれば、毎年勤続年数に応じて金額が増える勤続給などの導入を検討すると、定着率を高める効果もあるかもしれません。