人事・労務の知恵袋

年金・保険 50代半ば以下は負担超、27歳は712万円収支赤字

日本経済新聞
国民年金や厚生年金などの公的年金をもらえる額から支払った額を差し引いた生涯収支を世代間で比べると、50歳代半ば以下の世代で支払いの方が多くなることが、内閣府経済社会総合研究所の試算でわかった。赤字の額はデフレが長引くほど拡大する。政府・民主党が着手する年金改革では、年金の負担と給付の世代間の格差を緩和するために、現在の高齢者が受け取る年金額の抑制も課題になりそうだ。

試算では現行制度の国民、厚生、共済の各年金を対象に1人あたりの「保険料支払額(企業負担含む)」と「年金受取額」を5歳刻みで算出。物価上昇率を年1%程度、年金積立金の名目運用利回りを4%とした試算を「標準ケース」とし、将来の支払額と受取額を現在の価値に引き戻して調整した。社会保障・税の一体改革を実施しても負担と受給の関係は大きくは変わらないという。

1950年生まれ(62歳)では生涯の保険料の支払額が1436万円、受取額は1938万円で502万円の受け取り超過となる。だが、55年生まれ(57歳)世代の収支は数千円のプラスに縮小し、それ以下の世代の収支はマイナスになる。最も損をする85年生まれ(27歳)は712万円の受け取り不足。20年間年金をもらうと仮定した場合に、月3万円ずつ足りない計算だ。

企業負担を除いて見た場合、自己負担がおおむね半分として計算すると、90年生まれの人の自己負担額は約960万円。年金受取額は1200万円強なので、まだ制度に加入する恩恵はある。ただ、企業負担分を受け取り、個人で運用した方が生涯収支は得と見ることもでき、若い世代の公的年金離れにつながる懸念もある。
(以上、記事より)


年金に関する試算が出されました。

1955年生まれ(57歳)以降は、支払保険料に対して受給額がマイナスになるとの結果です。

自身の支払保険料額と比較すると年金制度への加入メリットがあるとされていますが、企業が保険料の半分を負担している以上、少なくとも支払保険料相当額を将来受け取れる見通しが欲しいものです。

年金制度の加入に対する選択権はないため、相応の範囲内で企業努力するしかありません。

厚生年金の保険料率は平成29年9月まで毎年一定率で引き上げられていくため、毎年確実に増えていきます。

選択型401Kなど多少でも支払保険料の減額と将来に向けての運用益を得ることができるような仕組みを活用するか、支払社会保険料額を抑えるための賃金見直しを行っていくなどし、支払保険料額を抑える努力をするしかないのでしょうか。

問題先送りにせず、早期に施策を講じるべき大きな課題だといえます。

 

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投稿日:2012/02/06
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