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年金・保険 健保組合、9割が赤字見込み 高齢者支援が圧迫

日本経済新聞
健康保険組合連合会は21日、主に大企業の会社員らが加入する健康保険組合の2011年度予算をまとめた。
約1400組合のうち赤字を見込む組合の割合は9割と過去最高を更新した。
高齢者医療制度への拠出金負担が増えるためだ。
企業と会社員が負担する保険料率は平均で前年度比0.3ポイント上昇と過去最大の上げ幅。
負担増を嫌気し、企業が健保組合を解散する動きも目立ってきた。

健保連が全国1447組合(1日時点)の収支見通しを調べ、1315組合の回答から全体を推計した。
回答組合の40%、527組合が保険料率を引き上げる。前年度予算では27%だった。

全国平均の保険料率は7.9%と前年度比0.3ポイント上昇する。
平均月収(36万円)で試算すると、保険料は労使合計で月2万8500円程度と、前年度より月1000円程度増える。
健保組合全体の保険料収入は6兆4173億円と前年度比6.4%増える。

それでも、赤字を見込む組合の割合は89.3%と前年度の88.5%から高まった。
地方自治体が75歳以上を対象に運営する高齢者医療制度への拠出金が1兆4179億円と前年度より1割増えたことが大きい。

65~74歳の医療費を支える拠出金と合わせると、健保組合の拠出金負担が保険料収入に占める割合は45%と前年度より約1ポイント上昇する。
回答組合のうち約3割は保険料収入の半分以上を拠出金として払う。
健保組合全体では総額2兆8800億円を他制度への支援に回す。

負担増に耐えかね、自社の健保組合を解散する企業もあり、1日時点の健保組合数は前年同期より15減った。
企業統合に伴う解散のほか、負担する保険料率が中小企業の社員らが加入する全国健康保険協会(協会けんぽ)の保険料率(9.5%)を上回ったり、法定準備金を維持できなくなったりする健保組合が解散しているもようだ。

40~64歳が健康保険料に上乗せする形で徴収される介護納付金(介護保険料)も高齢化で増加が続いており、11年度は健保組合の被保険者1人当たり4165円増える。

健保組合全体の経常赤字は6089億円と、過去最大の赤字だった10年度(予算ベースで約6600億円)に次ぐ赤字となる見通し。
この予算は東日本大震災に伴う医療費の増加や保険料収入の減少は織り込んでいない。
震災の影響を含めると、「予算以上に厳しくなる懸念がある」(健保連の白川修二専務理事)という。
(以上、記事より)

国民健康保険や旧政府管掌の健康保険に対する高齢者医療の拠出負担が、健保組合の財政を大きく圧迫しています。

元々、業界別や企業別に組合を設け運営する事で、保険料率を抑えたり、各種福利厚生の充実を図ってきました。

他の制度への拠出負担以外にも、私傷病により仕事ができない場合に給付される傷病手当金の給付負担が増えていることや、組合加入者の被扶養者に対する医療費負担増加も、健保組合の運営に影響しています。

ここに震災による保険料収入の減少と医療費負担の増加が含まれると、今年度の運営がさらに厳しくなるのは否めません。

公的社会保険制度のほころびが加速しているように思えてならず、企業活動への影響が心配されます。


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投稿日:2011/04/22
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