日本経済新聞
来年春に卒業予定の大学生の10月1日時点の就職内定率が57.6%で、前年同期を4.9ポイント下回ったことが16日、文部科学省と厚生労働省の調査で分かった。
「就職氷河期」と呼ばれた2000年代前半を大きく下回り、現在の方法で調査を始めた1996年度以降で最悪となった。
調査は全国の国公私立大学と短大、専門学校など112校の計6250人を対象に、就職希望者に占める内定者の割合をまとめた。
大学生は男子が59.5%で、前年同期に比べ3.8ポイント低下。女子は同55.3%で同6.3ポイント低下した。
文系は同3.8ポイント減の57.4%、理系は同10.2ポイント減の58.3%で、落ち込み幅が大きかった。
専門学校生を含めた全体の内定率は54.0%で、同5.1ポイント低下した。
一方、厚労省によると、来春高校を卒業する就職希望者の内定率は9月末時点で40.6%で、前年同期を3.0ポイント上回った。
求人倍率は0.87倍で0.02ポイント低下。同省は「厳しい状況を受け高校とハローワークが例年以上に早く動き出し、内定率が上がった」と分析している。
大阪市中央区内のホールでは16日、大学4年生を対象にした合同就職説明会があった。大阪産業大文系4年の男子学生(22)は「就職戦線が厳しいと聞いていたので」と、3年生の春から会社説明会に参加。希望のドラッグストア業界を中心に約50社を受けたが内定はゼロだ。主催者の就職情報大手、学情(大阪市)によると、今回の説明会には約2200人が参加。10月開催だった昨年より時期は遅いのに、参加者は約500人増えた。
上智大キャリアセンターの担当者は「まだ10月段階の数字。今後回復する可能性もある」と冷静な反応。
「企業からの求人自体はそこまで減っていない。企業と学生の間にミスマッチもあるのではないか」と分析していた。
「面接で志望動機を聞くと『安定した会社に入りたい』という学生が増えた」と、東京都内の大手システム会社の採用担当者は不満顔だ。「意欲がないだけではないか」
採用は2年前の半分に絞り込んでおり「優秀な学生は他社との争奪戦」と担当者。
内定辞退者が出ても補充で採用したい学生はなかなかおらず、「日本人より意欲がある」と近年は外国人留学生の採用を増やしているという。
大阪府内の食品メーカーは「埋もれた優秀な人材を見つけるため」(採用担当者)、これまで春だけだった採用活動を今年から秋も行うことにした。
しかし、最近はインターネット上で面接内容を教え合ったりして同じような自己PRをする学生が多く、「個性の見極めが年々難しくなっている」(同)という。
(以上、記事より)
企業の採用意欲は決して低くないのですが、内定率に結びついていない印象を受けます。
経営者や採用責任者の方からは
・学生の意欲を感じない
・通り一遍の回答ばかり
・一定レベルの学習到達度に達していない
・安定志向が強く福利厚生の充実度合いばかりを気にする
などの意見をよく聞きます。
企業が求める人材の要求が高まっているのを、学生がついていっていないのかもしれません。
学生側も企業規模や福利厚生等で企業を選択するのではなく、企業が今、学生に何を求めているのか、自身はどんな仕事をしどんな社会人として成長していきたいのかを真剣に考えていかないと、採用に結びついていかないのではないでしょうか。
人事・労務の知恵袋
- 採用 大学生の就職内定率、1996年度以降で最悪 57.6%に
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投稿日:2010/11/17
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